「ゼロゼロ融資返済」で資金繰りに苦しむ企業が続出…知っていれば防げた!借入金の返済に窮しないための「貸借対照表」の読み方

「ゼロゼロ融資返済」で資金繰りに苦しむ企業が続出…知っていれば防げた!借入金の返済に窮しないための「貸借対照表」の読み方
(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナ禍で売り上げが減った企業を対象とする無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が今月から本格化しています。しかし、返済のための資金繰りに苦しむ企業が続出しています。決算書類を会計の知識ゼロの人でも簡単に読み解けることで評判の「風船会計メソッド」を考案した松本めぐみ氏は、「貸借対照表」を読むことができていればこのような事態は防げたはずだと指摘します。松本氏が「風船会計メソッド」を用いて解説します。

◆「豚の貯金箱」の左側:資産

まず、豚の貯金箱の左側を見ていきます。ここには、自社の持っている資産がすべて書かれています(【図表2】参照)。

 

【図表2】貸借対照表(豚の貯金箱)の左側

 

上半身の部分には、原則1年以内で現金化できるであろう「流動資産」が入ります。「現金・預金」はもちろん、「受取手形」「売掛金」「有価証券」「棚卸(在庫)」等が入ります。

 

これに対し、下半身には現金化することがほぼない「固定資産」が入ります。たとえば「機械設備」「建物」「不動産」といった、商品・サービスを生み出す資産です。これらを現金化することはほぼありません。なお、この固定資産が多すぎる「下半身太り」になっている場合は注意が必要です。なぜなら、不景気になった時に固定資産を売却して現金を得るという手段が現実には取りにくいからです。

 

◆「豚の貯金箱」の右側:「自己資本(純資産)」と「負債」

次に、豚の貯金箱の右側を見ていきます。右側は、左側に書かれている資産をどのように調達してきたかを示しています(【図表3】参照)。

 

【図表3】貸借対照表(豚の貯金箱)の右側

 

「下方⇒上方」の順に説明します。

 

まず、下方には、今までに貯めてきた「税引き後の利益」や「出資した金額」が書かれています。これを「純資産(自己資本)」といい、「気球」で表します。

 

「純資産」を「気球」で表すのには理由があります。それは、頑張って「利益」(ヘリウムガス(元素記号He)に見立てます)を注入することによって気球が膨らみ、どんどん浮かせれば、会社の経営が浮揚していくからです。

 

これに対し、上方には、「負債」が書かれています。「固定負債」と「流動負債」がありますが、ここではいずれも「返していかなければならない金額」だとイメージしておけば十分です。

次ページ「ゼロゼロ融資」で借りたお金を「豚の貯金箱」でみると

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧