アジア最大級のヘッジファンド運用会社として知られるGOTEX(ゴテックス)のトップインタビュー。第3回目のテーマは「市場が乱高下する今、投資家に求められるものとは?」。聞き手は、日系資本の香港現地銀行として5月に開業したニッポン・ウェルス・バンク(NWB)の中島努CEOである。

中国市場は暴落の今が絶好の買い場?

中島 ヨーロッパの投資家は、資産配分のウェイトをよりアジアに振り向けているでしょうか。

 

マックス まだ多額の流入は見られていません。私の戦略は、人々が安心して投資を検討するための足場となるしっかりとしたプログラムを構築することです。この三か月、中国市場は大変不安定で、人民元は切り下げられました。投資家は、市場に不信感を抱き、様子見をしていますが、私からすれば、暴落の今が絶好の買い場です。人々が不信感を抱いているとき、ものは安くなります。30%安く品物が買えるようなものです。

 

 

中島 たしかに、2008年10月を彷彿とさせますよね。

 

マックス まるで金融危機の再来ですね。しかし、私はそれほど悲観的には見ていません。中国政府の、世界経済に立ち向かおう、経済を発展させるために変化を起こそうとする姿勢と覚悟に対して、非常に楽観的に捉えています。

辛抱強さを持ち、投資期間も見直す

中島 アジア市場に関してかなり楽観的に捉えられていらっしゃいますね。

 

マックス 中国株の乱高下は、ごくわずかな期間のものだと考えています。多くの投資家は、今日、明日、明後日と、短期間ですぐに儲けたいと思っています。投資期間を見直す必要がありますね。

 

今投資して、5年間眠りにつき、起きたら良い収益を得られるだろうと思うくらいで丁度良いのかもしれません。投資とは、「旅」のようなものです。ジェットコースターのように乱高下する期間もあるかもしれませんが、忍耐強く待つ必要があります。

 

戦略的なポートフォリオを組み、じっと眺め、そして待つのです。一年か半年に一度、ポートフォリオを見直し、資産の配分調整をする、これはマネージャーの仕事ですが、投資家にも辛抱強さが求められます。

 

 

投資家は、一に成長性、二にインカム(現金収入)を求めていると思っています。理想的なケースは、何らかの成長を遂げながら3~4%の現金収入が毎年あることです。GOTEX(ゴテックス)は、成長性とインカムを増大させるために、多くの時間を費やしています。やっていることとしては、マルチアセット戦略という手法で、株式、債券、ヘッジファンド、プライベートエクイティ、不動産、コモディティといった6種類の資産に投資することにより、リスク分散のメリットを享受できます。資産の種類を効果的に分散すれば、投資という「旅」は順調に進むと言えます。

 

中島 そこは私たちのアプローチに似ていますね。私たちも香港で分散投資をお客様に推奨しています。あらゆる資産に分散して、長期投資で結果を出そうという考え方は根っこでは同じなのかもしれません。

本稿は、個人的な見解を述べたもので、GOTEXおよびNWBとしての公式見解ではない点、ご留意ください。

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