なぜか「バブル世代」にイラついてしまう「氷河期世代」
時代を区切り「なんだか世代」という言い回しは、昔からされてきたもの。最近では1990年代後半から2010年代に生まれたデジタルネイティブ世代である「Z世代」といったキーワードを耳にする機会が多いでしょうか。
そして、さまざまある“世代”のなかで、悲劇とも称されるのが「氷河期世代」です。一般的に1993年から2005年に学校を卒業して就職活動に臨んだ年代のことを差します。元々はリクルート社が作った造語「就職氷河期」が、1994年に新語・流行語大賞で審査員特選造語賞に選ばれたことで、「氷河期世代」という言葉が広く世の中に知られるようになりました。
就職氷河期に該当する期間は、バブル崩壊の煽りを受け、求人倍率が1を下回ることも珍しくありませんでした。特に酷かったのは2000年。大卒求人倍率でさえ1を下回り、0.99。大卒就職率は91.1%。大卒者は50万人強でしたから、およそ5万人が「大学まで卒業したのに職がない……」という状況だったのです。
【2000年前後の大卒求人倍率、大卒就職率】
1998年:1.68倍/93.3%
1999年:1.25倍/92.0%
2000年:0.99倍/91.1%
2001年:1.09倍/91.9%
2002年:1.26倍/92.1%
出所:厚生労働省・文部科各省『大学等卒業者就職状況調査』、株式会社リクルート ワークス研究所『大卒求人倍率調査』
その後、求人は回復するも、十分にキャリアを積んでいないことが原因で、なかなか正社員になれなかったり、なれたとしても希望する職種ではなかったので途中でリタイアしてしまったりして、非正規社員としてのキャリアを歩まざるを得なかった人が多かったわけです。
そんな氷河期世代。「生まれた時代が悪かった……」はもはや口癖。そしてバブル崩壊の煽りを受けたこともあり、バブル時代を謳歌した、いわゆる「バブル世代」を少々妬ましく思っている人も多いようです。
――あいつらが浮かれていたせいで俺らは
そんな思いを少なからず心に秘めています。