低収入を理由に「結婚を諦める」非正規たち
内閣府『令和3年版少子化社会対策白書』によると、結婚している正社員は「25~29歳」で30.5%、「30~34歳」で59.0%だったのに対し、結婚している非正規社員は「25~29歳」で12.5%、「30~34歳」で22.3%と、正社員と比較して半分以下に留まりました。
また年収別に男性が結婚している割合をみていくと、いずれの年齢層でも一定水準までは年収が高いほど結婚している割合が高い傾向にあります。
また2017年に調査を実施した総務省統計局『就業構造基本調査』で、年齢別に男性の未婚率をみていくと、正社員ではいわゆる結婚適齢期とされる30代で大きく未婚率は下がり、多くが現役を終えることになる60代前半で7.3%までに低下します。
一方で非正規社員は、年齢が上がるにつれて未婚率は下がるものの、その下がり方は緩やか。50代後半で29.9%、60代前半で10.1%に低下するのは、早期リタイアなどで正社員から非正規社員へと、働き方を変える既婚者が増えるからだろうと考えられます。
【年齢・雇用形態別「男性の未婚率」】
15~19歳:97.6%/98.6%
20~24歳:91.7%/97.2%
25~29歳:69.5%/87.5%
30~34歳:41.0%/77.7%
35~39歳:27.6%/70.1%
40~44歳:23.2%/65.2%
45~49歳:20.0%/57.3%
50~54歳:14.9%/45.8%
55~59歳:10.1%/29.9%
60~64歳:7.3%/10.1%
出所:総務省統計局『平成29年就業構造基本調査』より算出
※数値左:正社員、数値右:非正規社員
前出の白書では「未婚者が独身でいる理由」を記しています。それによると「適当な相手に巡り合わない」「まだ必要性を感じない」「自由さや気楽さを失いたくない」に次いで、「結婚資金が足りない」という経済的理由があげられています。結婚したい非正規社員の理由は、ここに集約されるといっても、過言ではありません。