サラリーマンの5人に1人は「勤務先・ブラック企業」の現実
――ブラック企業ですら、やらない
ニュースになった、大阪音楽大学の契約打ち切り問題。そこで話題になったのが「ブラック企業」というキーワード。報道に対して、「ブラック企業ならもっと悲惨」という声もちらほら。
そもそも「ブラック企業」とはどのような企業なのか、厚生労働省で明確に定義しているわけではありません。2000年代初頭に巨大掲示板上で生まれた言葉といわれ、2008年には翌年に映画化もされる書籍『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』が出版され、2013年には「ブラック企業」が新語・流行語大賞を受賞しました。
ブラック企業といわれる企業は、①極端な長時間労働 ②極端なノルマ ③極端に低賃金 ④極端にコンプライアンス意識が低い といった特徴があります。
連合総研による『第38回『勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)』によると、勤め先が「ブラック企業」だと認識している人の割合で最も多いのが「その他サービス業」で29.5%。「卸売・小売・飲食業・宿泊業」が27.0%、「建設業」が25.9%と、これらの業界では4人に1人はブラック企業勤務ということになります。ちなみに「その他サービス業」には、廃棄物処理業や自動車整備業、職業紹介・労働者派遣業などが含まれます。
またほかの業種でも概ね20%超え。会社員の5人に1人は「うち、ブラック企業かも……」と感じながら働いていることになります。
また男女別・年齢別にみていくと、30代女性会社員が最も割合が多く35.5%。続くのが30代男性会社員で28.9%。30代は若手から中堅へとランクアップしていくタイミング。任される業務も多くなり、必然的に業務時間が長くなる、でも、給与はそれほど上がらない……といったところでしょうか。