大企業に閉塞感を覚えていた大企業・課長のもとに熱烈スカウト
そんな男性が転職を決めたのは、誘いを受けた企業からの甘言。
ーー部長のポジションで活躍いただきたい
同世代のなかでも出世は早く、評価されているという自負はあったといいます。ただ大企業ならではの閉塞感を覚え、もう少しチャレンジできる環境で働けないかと漠然に考えるようになり、軽い気持ちで転職サイトに登録をしたのだとか。そこでスカウトされたのが、いま勤めている会社。部長職として招き入れたいという熱烈オファーを受け、その気になった男性。唯一気になったのが、会社規模。従業員数100名に満たず、社歴も浅い中小企業で大企業ほどの福利厚生は望めないが……しかし、現状を打破したいという気持ちがまさり、ほぼ2つ返事で転職を決めたといいます。
新天地で愉しい毎日を過ごしているかといえば、あまりに早く決断してしまったことに、1ミリも後悔していないかといえば嘘になると男性。後悔した理由のひとつが給与で、転職後、2割ほど減給となったといいます。
単純計算、年収で795万円ほど。課長職から部長職になり、大企業ならではの閉塞感からも解放されたものの、「給与減」が現実になった今は昔を惜しむことも。
もし課長から部長への昇進が約束された大企業から大企業への転職だったなら……あくまでも平均値ですが、年収は994万円から1,200万円と、大きく給与アップも望めたかもしれません。しかし中小企業の部長職。従業員10~99人企業で年収766万円が平均値。それと比べると、男性の場合は厚遇だったことに変わりはありませんが、転職で給与減という事実は変わりません。
前出の厚生労働省の調査によると、転職で給与アップを実現した人は34.6%で、1割以上の増加は23.7%。一方、給与ダウンとなったのは35.2%で、1割以上の減少となったのは26.3%でした。
男性のように大企業から中小企業への転職であったり、異業種・異職種のキャリアチェンジだったりする場合は、給与減となるケースが多いでしょう。当然、転職前には給与の提示があり納得のうえでの決断であるものの、現職よりも低い給与だったならそれを上回る魅力があるのかとともに、入社後に給与の上昇の余地があるのかも確認したいところ。あくまでも想定なので、実現できるかは分かりませんが、転職後のモチベーションにもなるはずです。