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「浦和」駅周辺の掘り出し物…「全額ローン」で購入を決意も
2022年発表さいたま市浦和区の公示地価平均値は坪単価161万1,055円で、前年から4.5%ほどアップ。駅周辺だと、駅西口「浦和区高砂2-1-23」が最も高く、坪単価515.7万円となっています。前出の通り、「浦和」駅周辺には進学校も多いことから、わざわざ引っ越してくる子育て世帯も多いといいますが、駅周辺の地価は高く、新築一軒家となると結構な予算を覚悟しなければなりません。
たとえば、「浦和」駅徒歩15分ほど、3階建新築一軒家は、土地面積53㎡/建物面積100㎡ほどで6,500万円。戸建て住宅購入者の平均購入価格は4,250万円ですから、全国平均の1.5倍という水準です。
【戸建て分譲住宅購入者の平均像】
世帯主平均年齢:37.2歳
購入資金:4,250万3,200円(頭金:886万円、借入:3,363万9,400円)
自己資本比率:19.0%
平均返済期間:34.1年
出所:国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』より
※戸建て分譲一次取得者、数値はすべてそれぞれの平均値
とはいえ、駅徒歩圏内の新築一軒家は希少物件。「頭金はまだ貯まっていないけど見逃せない!」と、戸建て購入者の全国平均値、37歳の共働き世帯が「全額ローンでの戸建て購入」に踏み切ったとなると、どのような返済プランになるでしょうか。返済方式は元利均等、金利は0.5%、返済期間は30年とすると、利息分は501万0,155円、月々の返済額は19万4,473円となります。
一方、埼玉県の37歳サラリーマンの平均給与は月収32.3万円、賞与も含めた年収は528.7万円。女性会社員の平均給与は月収26.9万円、年収408.8万円*。世帯年収は937.5万円となり、返済負担率は24.8%と平均値よりも5ポイントほど高くなります。少々負担感が大きいものの、夫婦共働きであれば全額ローンもなくはない選択肢だといえます。
*厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より
しかし、全額ローンで戸建て購入に大きなリスクがあることは想像のとおり。まずはこの場合、夫婦がともに会社員として平均値の給与を得ていることが前提。どちらかの会社が業績不振で給与減となれば、あっという間に返済は重荷になります。
またいまは低金利のメリットを享受できていても、30年と長期にわたるローン返済のなか、金利が据え置きということは考えにくいでしょう。仮に0.5%→0.6%となると、月々の返済額は3,000円アップ。0.5→1.0%となると、月々1.5万円弱、多くなり、たちまちローン返済は滞ることになるでしょう。
不動産価格が高騰しているなか、マイホームの実現のためには、「夫婦2人力を合わせて」というのも現実的。しかし、安易に全額ローンを利用すると、ちょっとしたことで家計負担は重くなり、あっという間にローン破綻を迎える……そんな結末も現実的です。
もちろん借入額が少ないからといって、ローンを利用しているという状況に変わりありません。不測の事態も想定して、夫婦共働きであれば、1馬力でもローン返済を続けていけるようなプランで、住宅購入は考えていきたいものです。