西武池袋本店のストライキによって、街の顔となる百貨店の在り方に注目が集まっていますが、百貨店閉店から街の顔が不在となっていた「川口市」に朗報。いよいよ、百貨店跡地の再整備が動き出しました。みていきましょう。
川口市民、歓喜!「旧そごう跡地」未活用問題解決へ…百貨店の消えた街の行く末 (写真はイメージです/PIXTA)

もう百貨店は「百貨店のまま」では生き残れない⁉

8月31日、大手デパートとして61年ぶりとなった、西武池袋本店のストライキ。他社の百貨店や地域の労働組合によるビラ配りが行われたり、デモ行進が行われたり。その様子は、ニュースでも大々的に取り上げられました。一方で「デパートなんて、時代遅れ」という意見も多く、冷めた目で見ている人も多かったようです。

 

確かに、時代の流れと共に苦戦を強いられ、地方の百貨店は次々と閉店。最盛期には12兆円の市場規模を誇っていた百貨店業界は、2022年には4兆9812億円までに縮小しています。東京都心でも旧態依然としたデパートでは生き残れないと、カタチを変えているところも珍しくありません。

 

松坂屋銀座店跡地に誕生した「GINZA SIX」は、世界のブランドが入る銀座屈指の高級商業施設へと生まれ変わったのは、記憶に新しいところ。日本橋高島屋は、再開発を機に「日本橋髙島屋 S.C」と名称を変え、100を超える専門店を有する大型商業施設となりました。

 

また近頃、再開発のため閉店した「東急百貨店本店」や「小田急百貨店新宿店本館」は、超高層ビルに生まれ変わる予定ですが、商業施設が入ることは明らかにされているものの百貨店というカタチになるかは未定です。

 

どのようなカタチになるにせよ、百貨店は駅前の好立地に位置し、規模も大きいことから閉店となるとかなりのインパクト。大騒ぎになるのも当然のことです。閉店後の活用法が明らかになっていればいいのですが、「どうなるかは未定」という場合、「このまま街が衰退していくのでは……」と不安を覚える人も多いでしょう。

 

そんな状態が2年近くも続いていたのが、東京と川を挟んで隣接する、京浜東北線「川口」。駅の東口にあった「そごう川口店」は1991年に誕生し、売上のピーク1997年の359億円。街の顔として親しまれ、ピーク時の半分程度になっていたとはいえ、郊外の百貨店としては健闘していた百貨店でした。しかし、誕生から30年。2021年2月28日に幕を下ろしました。

 

閉店後、一時は「ヨドバシカメラが出店か」という噂があったものの、未活用のまま早2年。東京と隣接という立地のため、百貨店閉店後も「住みたい街」として人気を誇っていた「川口」でしたが、それでも駅前の一等地に“空白地”があるのは考えもの。「こんな一等地、もったいない!」と気を揉んでいた市民も多かったようです。