初めての東京五輪から50年以上が過ぎ、東京ではあちらこちらで大規模な再開発が進行中。それに伴い、「日本一高いビル」を冠とする高層ビルが次々と誕生します。みていきましょう。
2030年「全国超高層ビル」ランキング…2023年「日本一高いビル」は3位に後退 (写真はイメージです/PIXTA)

「日本で一番高いビル」の称号を明け渡す、大阪「あべのハルカス」

今年6月。「麻布台ヒルズ森JPタワー」が竣工し、「日本一高いビル」が誕生しました。それまで日本一だったのは大阪市にある「あべのハルカス」。地上60階、高さ300mを誇りますが、「麻布台ヒルズ森JPタワー」はそれを25メートルほど上回ります。

 

「高さ日本一」をさかのぼると、戦前は「国会議事堂中央棟」。そもそも戦前~戦後は特例はあったものの、法律で建築物の高さは31メートルに制限されていました。一方で法による制限は、以前の東京・丸の内のように、美しいスカイラインを描く統一感のある街並みの形成に一役買っていました。

 

その後、初めての東京五輪の決定を契機に、容積率規制は緩和され、1968年には、日本で初めて100メートルを超える「霞が関ビルディング」(156メートル)が完成。1970年には東京・浜松町に初代「世界貿易センタービル」(163メートル)、1971年には東京・新宿副都心における初めての高層ビル「京王プラザホテル」(170メートル)が誕生しました。

 

霞が関ビルディング
霞が関ビルディング

 

初めて200メートル超えの超高層ビルが誕生したのは、1974年の新宿副都心。「新宿住友ビル」(210メートル)、「新宿三井ビル」(225メートル)が竣工し、その後、1978年には、東京・池袋に「サンシャイン60」(240メートル)がオープン。たった10年の間に、次々と「日本一の高さ」を冠とするビルが誕生したのです。

 

竣工当時の新宿副都心
竣工当時の新宿副都心

 

その後10年強、「サンシャイン60」は「日本一高い高層ビル」としてその名を全国に轟かしますが、日本一の座を譲ることになったのは1991年。東京・有楽町、現在、東京国際フォーラムにあった都庁が、新宿副都心に移転。「東京都庁第一本庁舎」(243メートル)は、一躍観光名所としても人気に。その2年後には「横浜ランドマークタワー」(296メートル)がオープンし、20年以上も日本一高いビルとして君臨しました。

 

サンシャイン60
サンシャイン60
横浜ランドマークタワー
横浜ランドマークタワー

 

2014年に日本一を獲得したのが「あべのハルカス」(300メートル)。その称号は9年で「麻布台ヒルズ森JPタワー」に譲ることになったのです。

 

あべのハルカス
あべのハルカス