(※写真はイメージです/PIXTA)

電気代の高騰は、家計に大きな影響を与えています。本記事では、元東京電力福島第一原発のエンジニアであり、現在は電力を自給自足でまかなう「オフグリッド生活」を続けながらエネルギー問題への考察を積み重ねる木村俊雄氏が、著書『みんなの節電生活──省エネのプロが教える』(自由国民社)から、電気代高騰を乗り切るための「節電術」について解説します。

電力会社の「3段階料金制度」を知っておく

電力会社が設定している電気料金には、各家庭の電気の使用量に応じて「3段階料金制度」と呼ばれる、料金単価に次のような格差をつける制度があります。

 

・第1段階=「ナショナル・ミニマム」と呼ばれる最低生活水準を基本とした安い料金

 

・第2段階=標準的な家庭の1カ月の使用電力量を踏まえた平均的な料金

 

・第3段階=使用電力量が多い家庭に適用するやや割高な料金

 

ひと月の使用電力量が、「第1段階」は120キロワットアワー未満、「第2段階」は120キロワットアワー以上~300キロワットアワー以下、「第3段階」は301キロワットアワー以上というように、3段階にゾーン分けされているのです。

 

つまり、たくさん使うと電気料金の単価が上がってしまうわけです([図表1]参照)。

 

現在、「第3段階」に達している家庭は「第2段階」以下を、「第2段階」に達している家庭は「第1段階」以下を目指して、ゲーム感覚で楽しみながら節電にとり組んでみてください。

 

[図表1]電気代のしくみ

ミニマムな「太陽光発電システム」を導入する

私は独自の太陽光発電システムの設置を生業にしていますが、ミニマムなものは、ソーラーパネル、ケーブル、充電用バッテリー、充放電コントローラー(過充電を回避する機器)、インバーター(直流を交流に変換する機器)のセットで10万円程度の費用で実現可能です。

 

発電量は最大出力100ワットとかわいいものですが、それでもLED照明を3つ点灯し、さらにスマートフォンを充電することができます。重要なポイントは、自家発電してつくった電力をバッテリーに充電する仕組みの「独立型」であることです。

 

また、太陽光発電のメリットは、同じ自家発電システムでも風力や水力を利用するタイプと異なり、風や水の運動エネルギーを発電機の回転力に変化する「回転体」がないため、比較的故障が少なく、基本的に専門知識のいるメンテナンスが必要ないことです。

 

本記事の趣旨「節電」とは直接関係ないので詳述はしませんが、私はメガソーラーの推進には否定的です。

 

たとえ最大出力100ワットの小さな太陽光発電システムであっても、電力会社の配電網から独立した形で電気をつくることに重要な意味があると考えています。

 

自給した電力が灯す小さな明かりが教えてくれるものは、決して小さくはないのです。

 

 

木村 俊雄

元東京電力福島第一原発エンジニア

 

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