年収980万円の50歳エリート課長、尊敬する59歳上司の“告白”に思わず「なにかの間違いでは?」…高所得者に多い「老後破産」の恐怖【CFPの助言】

年収980万円の50歳エリート課長、尊敬する59歳上司の“告白”に思わず「なにかの間違いでは?」…高所得者に多い「老後破産」の恐怖【CFPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

都内の東証プライム上場企業で働くF課長。年収は980万円と暮らしには不自由なく、憧れのJ部長の背中を追いながらゆとりある生活を送ってきました。しかし、年収1,200万円のJ部長がある日F課長に「破産するかもしれない」とこぼしました。それを聞いたF課長は、大焦りしてしまいます。いったいなぜなのでしょうか。牧野FP事務所代表社員の牧野寿和CFPによるF課長への助言とあわせてみていきましょう。

CFPがF課長に行った「2パターンの提案」

筆者は、F課長からの話を聞き、F家の簡易的な家計簿も拝見しました。そして、

 

・必ずしもJ部長と同じようにはお金を使ってはいない

・たとえば入社当時から加入している保険商品の過剰な保障分の支払いなど、明らかに無駄な家計支出が多くある

・今後収入が減少していくと、F課長が懸念しているように、60歳くらいから家計が厳しくなる

 

といった3点を指摘。節約すれば捻出できる毎月10万円の予算で、役職定年までの5年間に、下記の①②どちらかを実行するよう提案しました。

 

筆者作成
[図表2] F課長の今後5年間の貯蓄案(課税額や諸費用は考慮せず) 筆者作成

 

※2 利回り:通常1年間に投資した金額に対する売却損益を含めた収益の割合のこと。 

※3 NISA:少額投資非課税制度。

<参考>金融庁HP「NISAとは」2024年から始まるNISA新制度にも注目。

※4 iDeCo:個人型確定拠出年金。

<参考>国民年金基金連合会HP「iDeCo公式サイト」

呆れるほど“会社人間”のF課長が視野に入れるべきこと

F課長はこれから5年ごとに、収入の変化に応じて貯蓄や金融資産形成を行うことになります。ときには、貯蓄を取崩す必要もあります。

 

筆者作成
[図表3]今後のF課長の収入予測と貯蓄・資産形成計画  筆者作成

 

F課長は、J部長や周りから「呆れるほど会社人間」といわれています。F課長ご本人も、給与が減っても生涯いまの会社に勤めたいそうです。

 

ただ、今後収入が減っていけば、これからの時代転職を視野に入れたり、副業を始め本業と両立して生活していくことが必要になっていくかもしれません。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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