イラスト:高田真弓

これからの時代を生きる子どもたちに必須となる「金融リテラシー」。著名FPの家庭をモデルに、子どもたちにぜひ知ってもらいたい「お金の知識」を紹介します。※本連載は、頼藤太希氏・高山一恵氏の共著『子どもに年収を聞かれたら? 11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

11歳息子「やっぱり、かなりの金額になるね…」

FPママ:まず、人生にかかる費用を、大きく2つに分けて考えてみるわね。次の2つよ。

 

日常の生活費

特別な出費(ライフイベント)

 

ヒロ:生活費は、月に30万円くらいだったっけ。

 

FPママ:そう、よく覚えていたわね。子ども1人の3人家族なら31万円、子ども2人の4人家族なら33万円といったところね※1。こういった平均の数字から、ヒロが就職してから定年するまでに必要な「日常の生活費」の合計をざっくり計算すると……1億4952万円(図表2参照)!

 

※1 総務省「家計調査」(2021年)

 

*「1カ月の生活費」は、総務省「家計調査」(2021年)における、該当する世帯人数の勤労世帯の平均値(消費支出)を使用。1000円以下は四捨五入。
[図表2]仮想ライフイベント表から「日常の生活費」を計算する *「1カ月の生活費」は、総務省「家計調査」(2021年)における、該当する世帯人数の勤労世帯の平均値(消費支出)を使用。1000円以下は四捨五入。

 

ヒロ:うわーっ、やっぱりかなりの金額になるねー。

 

FPママ:次にライフイベントごとにかかる「特別な出費」を出していくわよ(図表3)。まず結婚! 結婚費用の総額は平均371万3000円※2。結婚式や披露宴にかかる費用が大きいんだけど、婚約指輪や新婚旅行もあるわ。

 

※2 リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」

 


[図表3]仮想ライフイベント表から「特別な出費」を計算する

 

ヒロ:結婚するのにもお金がかかるんだね。

 

FPママ:でも、結婚費用は親が援助してくれることも多いし、イマドキは、写真を撮るだけのカジュアルな式もあるから、節約しようと思えば、わりと節約しやすい出費かもしれないわ。次は、出産。出産費用の平均は46万7000円※3。ただ、出産に関しては健康保険組合からお金がもらえたり、自治体の助成もあったりするから、実際にはそれほどの負担ではないことが多いわ。大変なのは、なんといっても教育費よ。

 

※3 厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」

「教育費・住宅資金・老後資金」の負担がのしかかる

ヒロ:教育費は、このまえ教えてもらったよね。幼稚園から大学まで、オール公立で子ども1人あたり820万円くらい、オール私立だと2310万円くらいなんだよね。

 

FPパパ:お、よく覚えていたな。じゃあ、次は住宅資金だ。ヒロはマイホームを買うプランだったね。住宅金融支援機構の調査※4によると、建売住宅の所要資金の全国平均は3605万円、マンションが4528万円。首都圏だとやっぱり高くて、建売住宅が4133万円、マンションが4913万円。4000万~5000万円くらいはかかるということになる。

 

※4 住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

 

FPママ:それに老後資金! 総務省のデータ※1によると、65歳以上で無職の夫婦世帯の生活費は平均して22万4000円ほど。ざっくり22万と考えて「ヒロ夫婦」の老後の生活費を計算すると、65歳から85歳の20年間で合計5280万円ね。

 

ヒロ:うわっ、僕が85歳で死ぬ計算になっている!

 

FPママ:あくまで「仮」だから。ちなみに日本人男性の平均寿命は、81.47歳だけど、これからもっと伸びるんじゃないかとママは思うの※5

 

※5 厚生労働省「令和3年簡易生命表」

 

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子どもに年収を聞かれたら? 11歳から親子で考えるお金の教科書

子どもに年収を聞かれたら? 11歳から親子で考えるお金の教科書

頼藤 太希,高山 一恵

日経BP

お金の基本を、子どもに説明できますか? 著者累計100万部突破のFP夫婦が、漫画と図解で、11歳の息子に教えたお金の「稼ぎ方」「使い方」「増やし方」年収、社会保険、電子マネー、投資、NISA… 「うちの年収っていくらなの…

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