2023年末で廃止になる、未成年を対象とした少額投資非課税制度「ジュニアNISA」。いまからでも始めたほうがよいのでしょうか。ジュニアNISAのメリット・デメリットや教育資金の準備について、ファイナンシャルプランナーのさがのさんにお話を伺いました。
2023年12月末に廃止!「ジュニアNISA」それでも今から始めるべき理由【FPの解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

ジュニアNISAが2023年で廃止になる理由

一般NISAやつみたてNISAに比べると、ジュニアNISAの口座数はかなり少なくとどまっており、廃止の理由はあまり人気がなかったためだと考えられます。

 

一般NISAはいつでも取り崩して現金化できるのに対し、ジュニアNISAは18歳までは払い出しに制限がかかってしまいます。そのため資金が必要になっても使うことができません。そういった使い勝手の悪さが、敬遠された理由だと思われます。また、子ども用に年間80万円を出せる家庭はあまり多くないのかもしれません。

 

ジュニアNISAは今からでも始めたほうがよい?

今年1年分だけでも、非課税枠をさらに80万円分確保できるという点で、始めるメリットはあります。また、投資教育の目的のためにお子さんにプレゼントしてあげるのもよいでしょう。

 

特に廃止が決まってからは、18歳までの払い出し制限がなくなり、ペナルティなしで必要なタイミングで利用できるようになったことで駆け込み需要が起きています。

 

お子さんがまだ小さく運用期間が長い場合は、マイナスになるリスクは低いといえるので、教育資金として始めるのもひとつの手です。もっとも、ジュニアNISAでも一般NISAでも、投資商品のみを教育資金とするのはリスクがあります。NISAだけでなく、学資保険などの手堅い商品や預貯金をバランスよく組み合わせて教育資金を用意するのが安心でしょう。

 

ジュニアNISAの始め方は?4つのステップ

ジュニアNISAの始め方の手順を説明します。

 

①金融機関の選定・決定

口座を開設する金融機関を決めます。ただしジュニアNISAを作るときは、同じ金融機関に親が口座を持っていることが必要なので、基本的には親と同じ金融機関で口座を作ることになります。

 

②書類の取り寄せ・記入

口座開設に必要な手続きの書類を取り寄せ、書類に必要事項を記入して返送します。

 

③審査・口座開設

金融機関から国に口座開設の申請がされ、審査に通れば口座開設の通知が届きます。ここでの審査とは、NISA口座は一人1個しか持てないので、重複がないかの確認です。

 

④運用開始

開設された口座にお金を入れて商品を買います。