(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、くにうみAI証券『厳選コラム・ニュース』より抜粋・再編集したものです。

PEファンド投資はセカンダリー市場がおすすめなワケ

セカンダリー市場で既存PEファンドの持分を購入する場合、運用会社、戦略、地域、業種、ビンテージ・イヤー(投資資本が最初に流入した年)などの分散を図ることができるほか、投資先が決まっていないリスクを回避し、投資対象の透明性を確保できるため、PEファンド投資を開始・強化して、リスクを低減するうえで効果的だ。

 

また割り引かれた純資産価値で既存ファンドの持分を購入することにより、プライマリー投資よりもセカンダリー投資のほうが早期のキャッシュフローを実現しやすい。

 

当初の投資家・出資者が支払う報酬・手数料などの大部分を回避し、早めの分配開始により「Jカーブ」を緩和することができる。さらに、キャッシュ保有比率を下げ、投資効率の向上も期待できるだろう。

 

投資ライフサイクルの途中で参入することで、

 

1.当初のパフォーマンス低下を軽減・マイナス幅を低減

2.マイナス・リターン期間を短縮化しプラス・リターンに転じるまでの時期を早期化

3.初期段階の「Jカーブ」を解消して資金の早期回収につなげる

 

――など魅力的な特徴を持つ。

 

セカンダリー市場は、PEファンド運用会社で経営に無限責任を負う、ゼネラル・パートナー(GP)が持分を売却・現金化する需要に対応できる。

 

同時に、有限責任の下でGP出資後の残りの部分を拠出する投資家であるリミテッド・パートナー(LP)にとっても、独自にアクセスが困難な優良ファンドへの投資機会を得るといった、多様な潜在的需要にも応えることができる。

 

GPはPEファンドの組成、投資実行、回収・分配、清算まで業務の管理・運営を行い、管理報酬・成功報酬などを受領する。一方、LPはGPに資金の運用を委託する投資家という位置付けだ。

 

運用過程においては、

 

1.PEファンドの投資家・出資者、仲介機関、その他市場関係者とのネットワークを活用し未公開市場へアクセス

2.専門家による包括的なポートフォリオ・財務諸表の査定・分析・評価

3.割安価格での取引交渉・入札

4.投資候補先企業の照会・訪問・調査

5.経営・法的・税務面の検討

 

――などを経て投資判断に至る。

 

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【参考】
・モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント | プライベート・エクイティ・セカンダリー・ファンド投資戦略 
(https://www.morganstanley.com/im/ja-jp/japanese-investor/strategies/private-credit-and-equity/private-equity-secondaries-ja.html)

・プライベート・エクイティにおけるJカーブ効果の削減 
(https://www.mijl.mercer.co.jp/content/dam/mercer-subdomains/mis/attachments/jp-2020-the-flattening-of-the-private-equity-j-curve-mercer.pdf)

・「Jカーブ」の平準化 | Russell Investments
(https://russellinvestments.com/jp/blog/flattening-j-curve-private-equity-strategies)

・ヘッジファンド、2021年はPE投資に救われる-来年も同じ戦略か- Bloomberg
(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-30/R4XUDKT0G1L001)

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