子どもがなかなかハイハイしないと、お母さんお父さんは心配になりますよね。そこでこの記事では、小児理学療法士のこどもリハビリかめきちさんにハイハイについての基礎知識や、ハイハイしない原因、おすすめの練習法などについてお話を伺いました。
「うちの子、ハイハイしない」は危険な兆候!? 小児理学療法士が教える「ハイハイ」の基本 ※画像はイメージです/PIXTA

ハイハイしない原因とは?

世の中には一定数、ハイハイしないで立ってしまうお子さんや、ずりばいからなかなかハイハイに移行しないお子さんもいます。また、先にお座りを獲得してしまった場合、ハイハイをしないことがあります。

 

まだ自分でお座りができない子どもを大人が「よいしょ」とお座りさせてしまうと、自分で姿勢を変換するやり方がうまく身につきにくくなったり、うつぶせで顔をあげるのが大変なお子さんはお座りのほうが安定して楽ちんなので、そこから動かなくなってしまうこともあります。「絶対に座らせてはいけない」というわけではなく、大事なことはそこから自分で姿勢を変えられるかどうかです。大人が座らせてあげた場合は、座った姿勢から自分で体をねじって寝る姿勢に戻る練習をさせてあげましょう。

 

神経発達症や脳の先天的な病気が疑われることも場合によってはあります。ほかにも乳幼児健診で発達の遅れを指摘された場合や、離乳食が全然進まなかったり物に興味がなかったりといったことが見られた場合は、専門の医療機関を受診してください。

 

ハイハイしないとどうなるの?

ハイハイしないと、先に紹介したハイハイの3つの要素

 

①自分の体を支える基礎的な運動

②リズミカルに重心を左右に移動させる練習

③原始反射から姿勢反射への切り替え

 

によって培われる機能がうまく育たない可能性があります。すなわち、

 

①安定した体の使い方が身につきにくい

②重心移動の経験が少ないので、ぎこちない歩き方になる

③姿勢反射がうまく起こりにくく、転びやすかったり転んだときに手が出ない

 

ということがあります。