「インフルエンサー3億円申告漏れ事件」は他人事と思っているそこのアナタ!…うっかり申告漏れした場合の「戦慄のシナリオ」が恐ろしすぎるワケ

「インフルエンサー3億円申告漏れ事件」は他人事と思っているそこのアナタ!…うっかり申告漏れした場合の「戦慄のシナリオ」が恐ろしすぎるワケ
(※画像はイメージです/PIXTA)

いわゆる「インフルエンサー」9人が税務調査で総額約3億円の申告漏れを指摘され、総額約8,500万円が追徴されたという報道がありました。おおっぴらに商品のPR動画等を投稿していたため、広告収入の存在が簡単に「税務署バレ」してしまったものといえますが、申告漏れや課税逃れをした場合、どのようなペナルティが待っているのでしょうか。整理して解説します。

税金が余分にたくさん取られ、最悪は刑務所へ

申告漏れや課税逃れの場合、追加で重い税負担が発生するうえ、悪性が強い場合には刑罰も科されます。

 

まず、申告漏れがあった場合、不足分の税額を納税しなければならないのはもちろん、それに加えペナルティとして「延滞税」と「加算税」を課されることになっています。

 

延滞税は利息のようなものです。これに対し、申告漏れの「加算税」は主に以下の3つであり、態様の悪質性によって税率の重さが異なります。

 

【3つの加算税(重い順)】

1. 重加算税

2. 無申告加算税

3. 過少申告加算税

 

なお、厳密には加算税には「不納付加算税」というのもありますが、これは源泉徴収が前提であり、上の3つとはやや性質が異なりますので、割愛します。

 

さらに、特に悪質な場合は刑事罰も科されます。「10年以下の懲役」「1,000万円の罰金」のいずれかまたは両方です(所得税法238条)。

 

以下、延滞税と3種類の加算税について解説します。

延滞税

延滞税は不足税額にかかる利息のようなものです(国税通則法60条)。2022年分と2023年分の延滞税の税率は以下の通りです。

 

【延滞税の税率(2022年分と2023年分)】

・納期限後2ヵ月以内:年2.4%

・納期限後2ヵ月超:年8.7%

 

今回のインフルエンサーの事件においては、申告漏れが複数年にわたっていたということですので、これだけでも大きな負担になります。

3つの加算税

次に、3種類の「加算税」について、最も厳しい「重加算税」から解説します。

◆重加算税

重加算税は、悪質な場合、すなわち「隠ぺい」または「仮装」をした結果として納税申告しなかった場合、あるいは過少申告した場合に課税されるものです(国税通則法68条)。

 

「隠ぺい」「仮装」がなかった場合には後述の「無申告加算税」または「過少申告加算税」の対象となります。

 

重加算税の税率は以下の通りです。これは加算税のなかで最も重いものです。

 

【重加算税の税率】

・無申告の場合:40%

・過少申告の場合:35%

 

今回のインフルエンサーの事件では、申告漏れの額が総額約3億円、追徴税額が総額約8,500万円とのことですので、重加算税の占める比率が相当高かったことが推察されます。

 

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