厚生労働省から公表された『令和2年度人口動態職業・産業別統計の概況』。出生、死亡、死産、婚姻、離婚の人口動態事象と職業、産業との関連を明らかにしたものです。今回は「婚姻」と「離婚」についてみていきます。
男女別「離婚が多い職業」上位3!「夫が働く片働きは減少傾向」少子化にも影響を与えているのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

2020年度の離婚件数は19万件…職業別に分析してみると

結婚の次は離婚についてもみていきましょう。

 

2020年の離婚件数は18万8,656件。そのうち「男性が有職」だったのは16万1,299組で全体の85.5%。一方で「女性が有職」だったのは13万3,168 組で全体の70.6%。女性の有職者の割合は、前回2015年度調査の63.6%から7ポイント上昇しました。

 

また別居する前の夫婦の就業状態をみていくと、「夫婦共働き」は65.5%で前回よりも7ポイント程度アップ。「夫が働く片働き」が19.0%で前回から5ポイント近くダウン。「妻が働く片働き」は4.0%、「夫婦ともに無職」は4.0%でした。

 

この5年間で結婚後も仕事を続ける割合が増えていること、また結婚後も経済的自立を維持した結果、女性も離婚という選択をしやすくなった実情がみえてきました。

 

また職業別にみていくと、男性の離婚で多いのが「専門・技術職」、女性の離婚で多いのは「サービス職」でした。

 

 

【男女別「離婚が多い職業」上位3】

◆男性

専門・技術職:14.5%

サービス職:12.0%

建設・採掘職:11.5%

◆女性

サービス職:19.8%

事務職:16.4%

専門・技術職:14.3%

 

出所:厚生労働省:『令和2年度人口動態職業・産業別統計の概況』より

 

昨今、少子化に拍車がかかっていると問題視され、早急な対策が求められています。「結婚」と「出産」の関係が深いことはよく知られたこと。「離婚(を減らす)対策」というのも、もしかしたら効果があるかかもしれません。