少子高齢化が想定よりも速いスピードで進み、対策に待ったなしの状況。それに伴い、犠牲となる世代といえるのが「団塊ジュニア」です。彼らに待つ未来とは……みていきましょう。
月収41万円・50歳の団塊ジュニア崩壊「残された時間はあと17年」最大の試練を迎える (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の人口のボリュームゾーンの1つ「団塊の世代」…2023年、49~52歳に

出生数、80万人割れ。少子化は想定の10年も早く進んでいる……

 

昨年の出生数が明らかとなり、騒然となっています。なぜ、そこまで大騒ぎなのか、まずは日本の人口構造を確認していきましょう。

 

現在の日本の人口ピラミッドは【図表】のとおり。なんとも歪なカタチをしています。

 

人口ピラミッドのカタチは、まず大きく3タイプ。まず「富士山型」。14歳以下の人口の割合が高く、65歳以上の人口の割合が低い状態で、戦後の日本はこのカタチでした。

 

厚生労働省『人口動態』より作成
【図表】厚生労働省『人口動態』より作成

 

次に「つりがね型」。14歳以下の人口の割合が低く、人口の増減はなく安定している状態。高度成長期の日本にみられたカタチです。

 

そして「つぼ型」。14歳以下の人口の割合が低く、65歳以上の人口の割合が高い場合で、日本など、先進諸国でみられるカタチです。

 

戦後、日本の人口ピラミッドは、まさに裾野が安定したカタチから、段々と不安定になっていくという変遷をたどっていきました。経済成長や医療の発展とともに、人口構造が変わっていったのは、どの先進国も同様。なんとか出生率を保持し、安定した「つりがね型」に留めようと、どの国も躍起になっているわけです。

 

ちなみに人口ピラミッドには、ほかにも「星形」や「ひょうたん型」と呼ばれているものも。星型は、 20 歳前後の若い世代の人口が流入している街などでみられるカタチで、企業や大学等が集中する都市部でみられます。一方、「ひょうたん型」は20 歳前後の人口が流出している、いわゆる過疎地域でみられるカタチ。生産年齢人口が少なく、子どもと高齢者が相対的に多い地域でみられます。

 

再度、日本の人口ピラミッドに話を戻しましょう。その特徴は、人口のボリュームが2つあること。ひとつめのボリュームは戦後の第1次ベビーブームによって生まれた人たち。1947年〜1949年生まれで、いわゆる「団塊の世代」で、日本の高度成長を支えた立役者的存在です。もうひとつの盛り上がりは、その子ども世代。第2次ベビーブームで生まれた人たちで、1971年〜1974年に生まれた「団塊ジュニア」です。

 

2023年、団塊の世代は、その多くが現役を引退しているだろう74~76歳。団塊ジュニアは49~52歳で、企業においては多くが上層部といった世代です。