(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人が、60代以降の老後の生活について、様々な不安を抱えています。「円安」「インフレ」が顕著な今日ではなおさらです。本記事では、60歳を前に「自主定年退職」した元・大学教授で会計学博士の榊原正幸氏が、著書『60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話』(PHPビジネス新書)から、快適な老後を迎えるための「お金」と「仕事」への向き合い方について解説します。

一番ダメなのは「リーンFIRE」

先に述べた4種類のFIREのタイプの中で、私が問題提起をしたいのは、「リーンFIRE」についてです。4種類のFIREについて、ひと言でまとめると次のようになります。

 

[図表2]4種類の「FIRE」に関する著者の評価

 

なぜ「リーンFIRE」が問題なのかというと、その多くは、早く仕事を辞めたいがために、数千万円程度とかそれ以下の資金しか準備せずに、とっとと仕事を辞めてしまうからです。

 

数千万円は確かに大金ですが、それだけで「残りの長い人生」を過ごすには不十分と言わざるを得ません。また、なんらかの理由で大きなお金が必要になった場合、途中でお金が足りなくなってしまう可能性があります。

 

さらにいえば、せっかく貧乏な生活を我慢して数千万円(とかそれ以下)の資金を貯めてFIREを達成したのに、その後もずっと節約生活を過ごさなくてはならないわけです。そんな人生が果たして、楽しいでしょうか。

 

だったら、「イヤじゃない仕事」に就くことで働き続け、より多くのお金を稼ぐほうがよほどいいと思うのですが、いかがでしょうか。

 

すなわち、私が提案するのは「コーストFIRE」に近いものです。これなら、本業を退職したあともお金の心配をあまりせず、気ままに働くことができます。

 

 

榊原 正幸

 

元大学教授

 

会計学博士・税理士

 

60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話

60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話

榊原 正幸

PHP研究所

「老後の資金が足りるか心配」 「定年後もお金のためにイヤな仕事を続けなくてはならないの?」 「仕事を辞めた後、自分の居場所ってあるんだろうか……」 そんな悩みをまとめて一刀両断! 「お金の不安もなく、好きなこと…

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