iDeCo、(一般)NISA、つみたてNISAに共通すること
[平岡さん]
NISA、iDeCoについて説明します。岸田内閣も、NISAの拡充・恒久化や、iDeCo制度の改革を打ち出しましたね。
[ヒロ税理士]
ここが投資の入り口になりますね。この両者とてもよく似てますけど実は全くの別物!
株式や投資信託などでの運用益が非課税になる制度
「(一般)NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA(※2023年末で廃止予定)」の3種類
個人型確定拠出年金。拠出した掛金を加入者自らが運用し、その運用結果に基づいて給付額が決定される年金制度。拠出額が決められていることから「確定拠出年金(DC)」と呼ばれている。こちらも運用益が非課税。
[ヒロ税理士]
まず詳細をお話しする前に、「iDeCo」「(一般)NISA」「つみたてNISA」(※「ジュニアNISAは未成年対象のため今回は割愛)、すべてに共通することが3つあります。それは
●老後資金の確保目的のもの(※一般NISAは短期運用目的として使いやすい)
●貯金ではなく投資・資産運用のため損することもある
●税制優遇があること
この3者の違いを表にまとめてみました。
NISAとiDeCoの内容は全く異なる
[ヒロ税理士]
NISAとiDeCoは同じようなもの……と考えてる方が多いんですけど、全然内容が違います。NISAの正式名称は「少額投資非課税制度」。
この名の通り、口座を作って、株や投資信託などを買って、値上がり益が出たり、配当をもらったり……という流れです。こうした運用益については、通常は税金がかかるのに、非課税になるのが特徴。
[平岡さん]
この非課税になる……ってやはり大きい?
[ヒロ税理士]
株式や投資信託の税金は後述しますが、さまざまな税額計算方法があり、20.315%の固定税率に抑えることが可能。この約2割の税負担がゼロになるのは言うまでもなくメリット大きいでしょ?
[平岡さん]
確かにそうやね!
[ヒロ税理士]
“億り人”になっても非課税なので、かなりお得な制度と言えます。一般NISAでは、年間120万円を上限として投資をすることが可能。非課税期間は5年間で、対象となるのは株式や投資信託など非常に幅広い。
一方、つみたてNISAは、基本的には毎月定額を投資していくもの。1年間の投資金額上限は40万円。非課税期間は20年間。対象となるのは金融庁お墨付きの投資信託などで、手堅い商品が多いのが最大のメリット。
老後資金の獲得を目的とした長期投資前提となるものですが、途中で売却して自由に換金することも可能なので、投資初心者にももってこい。ただ、(一般)NISA、つみたてNISAも1人1口座しか持てず、2つの併用はできないのでご注意を!(※いずれか1つと、iDeCoとの併用は可)
さて、ここで朗報です! 令和5年度税制改正大綱が先日発表されたのだが、その中身はほぼ増税だらけ……。その中で唯一評価できるのが「NISAの拡充」だ。「新NISA」と称して2024年以降は次のように制度が大きく変わる! 18歳以上であれば誰でも加入可能だ。
●一般NISAとつみたてNISAが合体する。
●非課税となる期間制限が撤廃され、1,800万円まで生涯非課税となる。
●従来の一般NISAに相当するのが「成長投資枠」であり、投資対象は投資信託や上場株式。生涯の非課税枠は1,200万円。
●従来のつみたてNISAに相当するのが「つみたて投資枠」であり、投資対象は投資信託。生涯の非課税枠は1,800万円。「成長投資枠」を使わずにこの「つみたて投資枠」のみで1,800万円掛けることも可能。
●年間の掛金上限は360万円。うち、「つみたて投資枠」は120万円、「成長投資枠」は240万円。とそれぞれ従来の3倍、2倍となった。