賃上げ期待が高まるなか、蚊帳の外とされる中小企業の会社員たち。さらに年齢別の給与をみていくと「最も残念なサラリーマン」が明らかに。みていきましょう。
大卒で「月収35万円」だが…氷河期・40代サラリーマン、給与減の悲惨に「もう、やってられない」 (※写真はイメージです/PIXTA)

給与の15年の推移をみていくと…40代が「最も残念な年代」だったことが判明

今回の賃上げで広がる、大企業と中小企業の給与差。そもそもこの十数年、サラリーマンの給与事情は厳しくなる一方でした。引き続き『賃金構造統計調査』をみていくと、2006年、大卒サラリーマンの月収(所定内給与額)の中央値は36万3,700円。そして2021年は33万5,600円。サラリーマンのちょうど真ん中の給与は、15年で2万8,000円も減少してしまいました。

 

さらに給与の中央値の推移を年齢別にみていくと、最も残念なサラリーマンがみえてきます。

 

給与中央値は、この15年で20代前半は1.2万円、20代後半は6,000円ほどアップ。これは初任給の上昇によるものと考えられます。30代に入ると一転、減少基調に。30代では1.1万円、30代後半で4.3万円のダウン。そして現役世代で最大となるのが40代前半で7.2万円のダウン、そして40代後半では6.5万円のダウン。氷河期世代の40代が「最も残念な年代」だといえるでしょう。

 

さらに40代前半の下位10%と上位10%の給与差に注目してみると、2006年には25万円ほどだった差は、2021年位は33.5万円に拡大。最も残念な世代である40代ですが、この15年で「勝ち組」と「負け組」の差がさらに大きく、さらに鮮明になったといえます。

 

今回の賃上げでは、初任給をはじめ、若年層を中心に引き上げるという企業が多くみられます。では中間層以上のベテラン勢は、というと、ベースアップではなく「そこは実力で勝ち取って」という企業側のメッセージが込められているといえます。新卒時の就職は大変で、賃上げのムーブメントも蚊帳の外。「もう、やってられない」と、40代の中堅社員たちのボヤキが聞こえてきそうです。