賃上げ期待が高まるなか、蚊帳の外とされる中小企業の会社員たち。さらに年齢別の給与をみていくと「最も残念なサラリーマン」が明らかに。みていきましょう。
大卒で「月収35万円」だが…氷河期・40代サラリーマン、給与減の悲惨に「もう、やってられない」 (※写真はイメージです/PIXTA)

大企業と中小企業の給与差、賃上げブームでさらに拡大か

次から次へと聞こえてくる賃上げのニュース。物価高騰のなか、ホッと胸をなでおろしている会社員も多いのではないのでしょうか。一方で、ため息が止まらない会社員も多いようです。

 

――うちらみたいな中小企業は……

 

昨今の物価高騰を受けての対応として、多くの大企業が賃上げを承継するなか、城南信用金庫が顧客企業に調査したところ、「今後、賃上げの予定なし」と回答した企業が7割を超えたといいます。

 

賃上げの期待できる大企業と、賃上げの期待ができない中小企業。ここで大きく明暗が分かれています。たとえば同じ大卒のサラリーマンでも、企業規模によって給与差は明確。

 

大卒サラリーマンの平均給与(所定内給与額)は、中小企業(従業員30~99人/平均年齢43.9歳)で月35.1万円、年収で531.4万円。一方、大企業(従業員1,000人以上/平均年齢41.5歳)で月43.2万円、年収で740.4万円。月に8万円ほどの差、年収で200万円もの差がついています。

 

同じ大学に通っていた学生が、一方は「安定しているから」と大企業を選び、一方が「色々とチャレンジできそう」と中小企業を選んだとしたら……大学卒業したての20代前半では月に1万円強、年に50万円弱の差。それほど給与格差を意識することはないのかもしれません。

 

ただ中小企業を選んだ学生が「んっ、なんか給与少ないぞ」と感じ始めるまで、それほど時間はかかりません。20代後半には、年収で100万以上の差がつき、40代にはその差は200万円を突破。50代では300万円もの差に拡大します。

 

【大卒サラリーマン「大企業と中小企業」の月収差】

20~24歳:23.8 万円/22.1 万円

25~29歳:28.5 万円/25.1 万円

30~34歳:34.6 万円/29.1 万円

35~39歳:40.2 万円/33.4 万円

40~44歳:45.6 万円/36.3 万円

45~49歳:50.0 万円/40.0 万円

50~54歳:56.7 万円/42.1 万円

55~59歳:56.8 万円/42.4 万円

 

 

【大卒サラリーマン「大企業と中小企業」の年収推移】

20~24歳:359.4 万円/309.9 万円

25~29歳:498.6 万円/378.8 万円

30~34歳:606.7 万円/450.1 万円

35~39歳:714.6 万円/518.9 万円

40~44歳:792.8 万円/564.6 万円

45~49歳:853.6 万円/607.5 万円

50~54歳:971.2 万円/641.1 万円

55~59歳:962.5 万円/627.1 万円

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出

※数値左:大企業(従業員規模1,000人以上企業)、数値左:中小企業(従業員規模30~99人企業)