※画像はイメージです/PIXTA

南半球のニュージーランド・オークランドでは、例年ならバケーションシーズンとなるはずの1月に、長雨や洪水など、異常気象による非常事態が発生。住宅の浸水被害が相次ぎ、保険加入の重要性はもちろん、周辺住民とのコミュニケーションの大切さなど、いくつもの課題が見えてきました。不動産市場の最新事情とともに解説します。※本記事は、2023年2月6日現在の情報に基づいて執筆されています。

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    さて、暗い話題からのスタートになりましましたが、この記事が出るころには学校も始まり、一般の人たちも不動産業界も、平常運転に戻っていると思います。

     

    ニュージーランドの人口約500万人のうち、オークランドの人口は約170万人、国民の35%が集中する大都市です。

     

    今回の洪水被害でもそうでしたが、有事の際の国・自治体の公的機関の行動力、民間ボランティアのスピード感、官民連携によるサポート力には、いつも驚かされます。それをみると、いま自分にはなにができるのか、なにか社会貢献できることはないか、考えさせられます。

     

    そして私たちは、「一般住宅」という存在を通じて、日々物件の安全性を考え、そのうえで売買をおこなうべきだと実感するのです。

     

    近くの川・水路まではどのくらいの距離で、水量はどの程度か、土地の傾斜はあるのか、水はけはどうか…といった点を雨の日に必ず確認するようにしています。

     

    室内のデザインなら、お金を出せばあとからいくらでも変更できます。ベースになる家の素材・質をしっかりと見極め、物件を選択することが重要です。

     

    物件の売買の際、売り手に依頼して致命的な箇所の改装をすませ、買い手が「住みたい」と思えるレベルまで品質を高めることが重要です。もし売り手が予算をかけられない場合は、なにも手をかけずに販売価格を抑え、買い手に「好きに改装して下さい」と伝えて勝負するのです。

     

    ニュージーランドでの不動産の売買を考えている方にいちばんお伝えしたいのは「考え過ぎない」ということです。

     

    この国では、家は一生ものではありません。購入のタイミング、購入する家の種類(タウンハウス化、一戸建てか)などについて、思い悩む方は多いと思いますが、迷うよりもまずは実行しましょう。もちろん、資金がマイナスになることは避けるべきですが、購入後、気に入らない物件だった、苦しくてローンが払えなくなった…という場合でも、売却して精算し、また出直せばいい、くらいの気持ちでちょうどいいのです。

     

    予算がない投資家が一戸建ての購入にこだわり、足を踏み出せずに時期を逃してしまうのは、非常にもったいないといえます。まずは狭い部屋でも構いませんから、2ベッドのユニットを買ってみてください。そこからスタートしてグレードアップしていきましょう。

     

    最初から理想通りの物件を買おうとすれば、現実のギャップが生じてしまいます。現在のニュージーランドでは、資金の準備に3年、5年と要してしまえば、その間にさらに物件価格が高騰し、結局なにも買えなかった…となる可能性は高いといえます。だからこそ、「買ってみよう」と思った時こそがチャンスであり、行動するタイミングなのです。

     

    住宅不足により、住宅供給の流れが加速するオークランド市。供給率の上昇と人口統計からも、その勢いは明らかです。不動産業界に身を置く筆者としては、ありがたいと思う一方で、ニュージーランドらしい自然を守りつつ、人々が平和に暮らせる調和の取れた街づくりの実現も願うばかりです。

     

     

    一色 良子
    Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
    Harcourts -Shelter Realty Ltd 所属

     

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