(※写真はイメージです/PIXTA)

上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外を投資対象とするオルタナティブ投資。一般的に、オルタナティブ投資は伝統的資産への投資との相関性が低いとされており、伝統的資産への投資とオルタナティブ投資を組み合わせることで、リスクを分散する効果が期待できます。本記事では、オルタナティブ投資のなかでも、2022年、国内企業のM&A件数が過去最多の4,304件に達し、注目を集めるプライベート・エクイティ投資を専門家が分かりやすく解説します。

グロース・キャピタル戦略の特徴

グロース・キャピタル戦略は比較的新しい戦略で、投資先企業のステージでいうと、ベンチャー・キャピタルとバイアウトの間のような戦略と言えるでしょう。

 

IPO前の企業に対して、さらなる成長を促進するための出資をする戦略です。日本が今後、10億米ドル以上の企業価値であるユニコーン企業を多く輩出するためには、早期のIPOではなく、こうしたグロース・キャピタルがより必要であると言われています。

ベンチャー・キャピタル戦略の特徴

スタートアップ企業への投資は、通常、個人のエンジェル投資家やベンチャー・キャピタルなどが初期の段階から、企業への成長期待をこめて出資をします。

 

企業が成長するとシード、アーリーステージからミドル、レイターステージと企業価値の上昇とともに出資金額も大きくなり、最終的にはIPOや事業売却を行うことで収益を獲得します。

 

スタートアップ投資は、当然企業価値の低いアーリーステージで投資を行うほど成功したときの投資倍率は高くなりますが、ゼロとなるリスクもあるので、企業銘柄や運用するVCファンドの目利きは慎重に行うことが重要です。

企業再生投資戦略・ディストレスト投資戦略の特徴

企業再生投資やディストレスト投資戦略は、日本においてはバブル崩壊後の1990年代に多く実施された戦略です。

 

経営不振、または破綻した企業を安値で買収し、投資回収していく手腕に「ハゲタカファンド」という言葉も使われました。そのことからマイナスイメージをもたれやすい戦略でしたが、昨今ではより中長期の時間をかけて企業価値の向上をしっかり行うPE戦略が主流になっているようです。

 

このようにプライベート・エクイティ投資と一言で括っても、その戦略や内包するリスクはそれぞれ異なります。具体的にPEファンドに投資をするということについて、次回以降解説していきたいと思います。

 

(注1) Bain& Company “2022 annual Japan Private Equity Report”
 

 

シデナム 慶子

LUCAジャパン株式会社 代表取締役CEO・共同創業者

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