無策な「海外からの労働者」の確保
近年、日本では慢性的な労働者不足に陥っている。
バブル崩壊前までは1~2%台を推移していた失業率がバブル崩壊後に5%程まで上昇したが、その後の第二次安倍政権以降経済が持ち直し、2~3%程度まで回復してきた。しかしこのコロナ禍では様相が一変し、一部の業界では景気が落ち込み失業率が上昇してきている。
しかしここでは、今のコロナ禍以前の状況を前提として、この労働者不足の問題点を考えてみたい。
低賃金の労働者不足はバブル崩壊前からあった。以前は製造業を中心に労働者が不足し、ブラジル等からの日系人を中心に、沢山の労働者を受け入れてきた。
最近は製造業での労働者不足はあまり聞こえてこなくなったが、建設・飲食業や中小企業中心にまだまだ不足感がある様だ。そして最近では農業分野にも積極的に“安価な”労働者を受け入れている。
安価な労働者を受け入れる場合、定住をさせない方策を考えなくてはならないのだが、その方策がしっかりしていない状況下で受け入れている。そして受け入れる場合でもその人数は制限する必要がある。
急激に沢山の人数を受け入れてしまうと日本の中に異文化コミュニティーが作られてしまい、治安及び地域行政に問題を起こす原因となってしまう。
実際、ブラジル人の場合は基本的には日本人の血を引く人を対象としていたため、日本に来てもある程度馴染む事ができると思われていた。しかし結果として30万人以上のブラジル人が日本に住み、多くの地域でブラジリアンタウンが形成され、日本から見たら異文化の地域が沢山作られた。
また近年は東南アジアからの労働者が増えた事から、東南アジア出身者による犯罪がかなり目立つ様になってきた。
外国人の受け入れ、特に大量な低賃金の労働者を受け入れる事に関して、次の二つの問題点が存在する。