ソーシャルレンディングの融資審査も甘くない
ソーシャルレンディング企業は、融資にあたって厳正な審査を行なっています。各社の審査担当者は銀行や商社などで審査経験がある人が多いので、審査の目線は銀行と変わりません。
担保評価のための不動産取引情報、企業や経営者の信用情報、さらには業界の噂や評判など、SNSやテクノロジーの発展もあって、審査に関連するインテリジェンスは大手銀行とそれほど変わらないとも言えるでしょう。
また、融資を行う金融機関にとっては、貸出を増やすことと同じくらい、貸し倒れのリスクを抑えることは重要です。ですから、貸出を増やそうとする営業部門と、リスクを抑えようとする審査部門とが牽制し合いながら事業を行っています。その点でも、銀行とソーシャルレンディング企業との違いはありません。
そのため、上場企業やメガバンクと取引している企業であっても、ソーシャルレンディング企業から融資を断られたり、あるいは融資に厳しい条件が付けられるケースもあるのです。
それでも投資商品である以上、貸し倒れリスクはある
そこまでしっかりと事前審査をしても、貸し倒れリスクを完全に封じ込めることは不可能です。新型コロナウイルスや災害のように予想できない事態が融資先の業績に悪影響を与えることがありますし、融資先固有の特殊事情によって融資が延滞したり、貸し倒れたりするリスクがあるのです。
もちろん、延滞したからといってすぐに貸し倒れに繋がるとは限りません。延滞が発生した後にその融資を正常化させたり、あるいは担保処分などで融資を回収することもあり得ます。
それでも、ソーシャルレンディングに投資する際には、常に一定割合の延滞や貸し倒れが発生することを想定しておくことが重要です。そのためには、各ファンドの概要をよく読み、担保や保全のしっかりしたファンドを選ぶこと、できる限り分散することを心がけましょう。
株式会社バンカーズ
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