(※写真はイメージです/PIXTA)

相続には十人十色の事情があり、場合によっては家族や親族同士の関係を壊してしまうこともあります。そうした事態を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届けします。

遺言執行者は相続人と同一人物でもよいのか?

相続人の中から、遺言者の信頼できる人を選んで遺言執行者に指定し、遺言執行者が相続人と同一人物となっても問題ありません。遺言書に例えば「長男〇〇を遺言執行者に指定する」と明記すれば、相続人から遺言執行者に就任できます。

 

ただしこの場合には、遺言執行者であると共に相続人という立場で手続きを担います。遺言内容に不満を持つ人が現れたり、財産調査や全ての相続人の確認が難航したりするケースも想定されます。

 

遺言執行者を相続人の中から指定する際は、相続人達から信頼が厚く、冷静に物事を進められ、手続き等の知識もある程度備えている人を選びましょう。

相続人が遺言執行者になるとデメリットも…発生しうるトラブルとともに解説!

相続人が遺言執行者となれば無報酬で、様々な遺贈や相続手続きに関する作業を行ってもらうことができます。しかし、次のデメリットにも注意しましょう。

 

遺言執行者と“他の相続人”が揉め出す

遺言執行者も相続人の1人である以上、遺言内容に従い公正な作業を行っているか、相続人から疑われるおそれもあります。遺言内容で受け取れる遺産が少ない人や、遺言執行者と元々仲が悪かった人には注意しましょう。

 

例えば遺言書を捏造したとか、遺言内容を遺言執行者本人へ有利にするため一部を改竄(勝手に変更)したと疑われ、相手方から「遺言無効確認訴訟」を提起されるケースも想定されます。

 

遺言執行者の知識不足などでなかなか手続きが進まない

相続人間で遺言内容に関する不満がでなくても、相続人や相続財産が多いと、遺言執行者に大きな負担がかかります。法律的な手続きに疎く行政窓口や金融機関から修正を求められ、何度も手続きをやり直すケースも考えられます。

 

また、遺言執行者が仕事を持っている人なら、遺言の諸手続きに従事する時間は限定されてしまいます。行政窓口や金融機関は平日に申請を受け付けている場合が多いので、仕事を休んで対応することもあるでしょう。

次ページトラブルは未然に防げるのか?

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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