ヘルニアでもぎっくり腰でもない…「仕事後の慢性的な腰痛」の正体【専門医が解説】

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ヘルニアでもぎっくり腰でもない…「仕事後の慢性的な腰痛」の正体【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

日々のデスクワークや家事などで身近な腰の痛み。疲れや歳が原因だと考えて放置してしまいがちですが、腰痛は「自然治癒しない」と、横浜町田関節脊椎病院の越宗幸一郎院長はいいます。最悪の場合、下肢の麻痺や膀胱直腸障害などを引き起こすことも……今回は、腰痛のなかでも代表的な症状について、初期症状から予防法まで詳しく解説します。

仕事終わりの腰痛…実は「すべり症」かも 

デスクワークが続き、仕事が終わって椅子から立ち上がると腰が痛い……。そんな症状を抱えている人は多いのではないでしょうか。腰痛は決して珍しい症状ではありませんが、放置すると危険なケースもあります。そのひとつが、「すべり症」です。40代以降で発症するケースが多い、代表的な腰痛のひとつです。

 

「すべり症」のしくみ

腰の骨は、積み木のように骨が積み重なってできています。腰の骨の1つ1つを「椎骨(ついこつ)」といい、一般的には5つの椎骨が重なることで腰の骨(=腰椎)が作られています。

 

また、椎骨同士をつなぐものを「椎間板」といい、椎骨が連なってできたトンネル状の管のことを「脊柱管(せきちゅうかん)」といいます。この脊柱管のなかには脳から続く脊髄神経が収まっています。

 

本来、正しく積み上がっているべき腰椎が、前方や後方へすべり出してしまう症状が「すべり症(腰椎すべり症)」です。上から4番目にある「第4腰椎」でこの症状が起きやすいとされています。

 

[図表1]第4腰椎で起こりやすい「すべり症」

 

日本人の4人に1人が「腰痛持ち」

日本整形外科学会の調査によると、日本全国に腰痛のある人は約3,000万人いると推計されています。つまり、全人口の約4人にひとりがなんらかの腰痛を抱えているということです。

 

腰痛は「病名」ではなく「症状」です。つまり、この症状の影にはなんらかの病気が隠れているということ。長い時間、デスクに向かって仕事をして、椅子から立ち上がって腰を伸ばした瞬間、腰が痛むこともあるかもしれませんが、これは「すべり症」による痛みの可能性があります。

 

「すべり症」とは、腰の骨がなんらかの原因ですべってしまった状態のことで、40代以降の男女に多く発症する病気です。

 

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