老いとともに発症リスクが高まる「変形性股関節症」とは
「変形性股関節症」何らかの原因により、大腿骨と骨盤との間にある軟骨が磨り減って、炎症や痛みなどを発症させる病気です。
老化、肥満、重労働、過度な運動などが原因となるほか、股関節の臼蓋(屋根になる部分)が生まれつき浅い「臼蓋形成不全」などが原因となることがあります。
初期症状は「違和感」程度かもしれないが…放置すると危険!
初期の場合、長時間の歩行時や、また歩きはじめに股関節の痛みを感じたり、運動開始時に痛みが現れたりします。
病期が進行するにつれて痛みが持続的となり、動くたびに股関節に痛みがでるほか、安静時や夜間の就寝時にも痛みが出現してきます。
軟骨のすり減りが進んでいくと、周囲の骨同士がぶつかり合うことで変形し、関節の機能が制限され、「かがめない」「足の爪を切るのが辛い」「靴下を履けない」などの症状が現れます。
さらに進行すると、足がまっすぐ伸びなかったり、左右の足の長さが違ってきたりすることもあるのです。
変形性股関節症は日常生活に大きな影響を与えるため、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を著しく低下させる要因になります。違和感を感じたら一度病院の受診を検討してみましょう。
「変形性股関節症」の治療法とは
変形性股関節症の治療法は、主に下記の2つです。
■運動療法
■薬物療法
ただし、症状の度合いにもよりますが、運動療法と薬物療法だけで根治を目指すのはなかなか難しいのが事実です。
そのようななか、根治を目指す上で近年注目されているのが「人工股関節置換術」です。この術式は、変形性股関節症などで痛めてしまった股関節を人工の関節に置き換える治療法のことで、安定した歩行を取り戻すことを目的としています。
人工股関節置換術の成果を決めるの成否は「リハビリ」が握る
「人工股関節置換術の手術が終わったら、リハビリをする」というのは、すでに常識となっています。
一般的に、手術翌日から歩行練習を開始し、股関節周辺の筋肉を強化したり、可動域を拡大したりすることを目指します。はじめは杖をついて歩く練習をし、その後は杖がなくても自分の足で歩けるように、徐々にステップアップ。退院後も必要に応じて来院していただき、理学療法士によるリハビリ指導を受けつつ、あわせて自宅でのリハビリも継続します。
このように、人工股関節置換術の手術後のリハビリはほぼ100%の医療機関が実施していますし、実際、術後リハビリの有効性は多くの研究により明らかになっています。
実は「術後」だけでなく「術前」が大事!
しかし実は、人工股関節置換術の効果を最大化するには、「術後」だけでなく「術前」のリハビリが非常に重要なのです。
その理由は、股関節の痛みが強かったり、関節の変形が進行していたりすると、股関節周辺の筋肉が硬くなり、可動域が大きく制限されてしまっているからです。いってみれば筋肉や体の組織が、健康だったころの動きをすっかり忘れてしまっている状態です。
周囲の筋肉や組織の機能が衰えたままでは、いざ人工股関節に置換して股関節を完璧な状態に整えても、せっかくの人工股関節を生かし切ることができません。いわば、“宝の持ち腐れ”になってしまうのです。
したがって、万全の状態で人工股関節置換術を受けるために、術前リハビリが重要なのです。
しかし現在、人工股関節置換術を行うにあたって、術前のリハビリを行っている医療機関はあまりありません。手術前ですから当然まだ痛みが強い状態ですし、固まった筋肉や組織をほぐそうにも思いどおりに体を動かせず、辛い思いをする可能性があるからでしょうか。
しかし、人工股関節置換術の成果を決めるのは、綿密な術前計画と、術前のリハビリです。
特に股関節は、中臀筋や大臀筋といったお尻の筋肉や、大腿四頭筋やハムストリングスといった太ももの筋肉、腸腰筋などの腰の筋肉と連動して働きます。そのため、手術を受ける前にできるだけこれらの筋肉の状態を改善しておくことが、手術の成果を高めるのです。
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