〈死因世界一〉心筋梗塞を含む心疾患…一刻も早く救急車を呼ぶべき体の「SOSサイン」【医師が解説】

Sponsored
株式会社オンラインドクター.com
〈死因世界一〉心筋梗塞を含む心疾患…一刻も早く救急車を呼ぶべき体の「SOSサイン」【医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人の死亡原因の第2位、世界でみると第1位は「心疾患」で、その多くが心筋梗塞とされています。さらに、なんとか命を取り留めても、一度壊死してしまった心筋は復活することがないため、治療は生涯にわたって続きます。そんな恐ろしい心筋梗塞の仕組みや初期症状、発症リスクの調べ方について、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長が解説します。

世界の死亡原因第1位は、心筋梗塞を含む心疾患

現在、日本では死因の第1位が「がん」、第2位が「心筋梗塞を含む心疾患」ですが、世界を見ると第1位は心疾患です※1。これだけ多くの人の命を奪う心筋梗塞。概要や症状について、改めて確認しておきましょう。

 

約半数の人が、何の前触れもなしに心筋梗塞で突然亡くなる

日本における急性心筋梗塞を発症する人数は、年間10〜13万人と推定されています※2

 

そのうち、死亡率は7〜9%。以前は、心筋梗塞を発症して48時間以内に死亡してしまう確率が高かったものの、現在ではカテーテル治療など医療技術が進化したこともあり、死亡率は大きく低下しました。

 

とはいえ、心筋梗塞はいまだ恐ろしい疾患であることに変わりありません。急性心筋梗塞で突然死した患者のうち、男性は50%前後、女性は64%前後に前駆症状(いわゆる前兆)が見られないことがわかっています※3

 

「心筋梗塞には前兆がある」と思われがちですが、実際は約半数の人に前兆は起こらず、突然胸の痛みなどの症状に襲われ、そのまま亡くなってしまうのです。

 

現在、日本人の死因第2位である心筋梗塞は、病院で治療を受けても5〜10%は救命できないとされています※4。そのため、正しい知識を得て、普段からできる予防法を心得ておことが命を救う鍵になります。

 

心筋梗塞の危険因子、重大なのは「遺伝」と「高脂血症」

心筋梗塞のリスクファクターとしては以下のものが挙げられます。

 

  • 高血圧
  • 高脂血症
  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 遺伝
  • 年齢(男性65歳前後、女性75歳前後が好発)
  • 性別(男性が女性の3倍、多発)

 

これらのうち、特に気をつけなければならないのは「高脂血症」と「遺伝」の組み合わせ。近年の研究により、心筋梗塞には遺伝的素因が認められることがわかっており、血縁者に心筋梗塞既往がある人がいる場合は、発症リスクが高まります。

 

さらに気をつけたいのが「高脂血症」です。高脂血症にも「家族性高コレステロール血症」という遺伝性の疾患があり、これを発症すると普段からLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が高くなり、若いときから動脈硬化が進んで、心筋梗塞や狭心症などのリスクが高くなります。

 

日本では現在、300人に1人程度という比較的頻度の高い遺伝性疾患であるため、気づかないうちにその体質を引き継いでいる人も多いでしょう※5。両親のいずれかが心筋梗塞で突然死しており、自分も高脂血症(コレステロール値が高い)と診断されている場合には、心筋梗塞の発症に要注意です。

 

次ページ心筋梗塞の初期症状…「20分以上」続くと危険!