ヘルニアでもぎっくり腰でもない…「仕事後の慢性的な腰痛」の正体【専門医が解説】

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ヘルニアでもぎっくり腰でもない…「仕事後の慢性的な腰痛」の正体【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

日々のデスクワークや家事などで身近な腰の痛み。疲れや歳が原因だと考えて放置してしまいがちですが、腰痛は「自然治癒しない」と、横浜町田関節脊椎病院の越宗幸一郎院長はいいます。最悪の場合、下肢の麻痺や膀胱直腸障害などを引き起こすことも……今回は、腰痛のなかでも代表的な症状について、初期症状から予防法まで詳しく解説します。

「すべり症」になりやすいのは、どんな人?

すべり症は加齢とともに発症するため、誰でもなる可能性があります。

 

特に普段、腰に負担の大きな生活をしている人(重いものを持つことが多い、長時間屈んでいる、など)は注意が必要です。

 

また、「若いときにスポーツをしていたけれど、中高年になってやめてしまった」という人は、体幹や腰回りの筋肉が急激に衰えている可能性があるため、すべり症になるリスクも高まります。

 

反対に、若いときから適度な強度で運動を続けている人は、腰椎をサポートする筋肉がしっかりと鍛えられているため、すべり症になるリスクは低くなります。

 

すべり症は「自然治癒しない」…放置すると神経に影響が及ぶことも

すべり症は腰椎がずれている状態なので、放置しても自然に治癒することはありません。それどころか、どんどんすべりがひどくなり、症状が悪化することがあります。

 

すべりがひどくなると、安静にしていても痛みやしびれを感じるようになり、立てなくなってしまう可能性も。

 

また、お尻から足の外側にかけて、さらに、足背や足指あたりに痛みが現れるのも、すべり症の特徴です。

 

「なぜ、腰椎に原因があるのに、足に影響が出るのか?」と疑問に感じるかもしれませんが、これには、「デルマトーム」が関係しています。

 

デルマトームとは、脊髄神経が支配する皮膚感覚の領域のこと。医療では、痛みやしびれが生じている部位から、どの脊髄神経が障害を受けているのか、逆算的に、診断に用いることがあります。

 

すべり症が起きやすいのは第4腰椎です。この第4腰椎が支配するのが下肢の外側を通って足までに当たるので、そのあたりに痛みやしびれが生じやすくなるのです。

 

C:頚椎 T:胸椎 L:腰椎 S:仙椎 第4腰椎にすべり症が発症した場合、「L4」と書かれた部位に痛みやしびれなどが出やすい
[図表2]人体図 C:頚椎 T:胸椎 L:腰椎 S:仙椎
第4腰椎にすべり症が発症した場合、「L4」と書かれた部位に痛みやしびれなどが出やすい

 

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