不整脈発作に苦しむ60代女性を救った「わずか30秒」の処置【専門医が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

プロダンサーとして活躍する60代女性Bさん。本番中、舞台上での不整脈発作に悩まされてきました。診断のためには、症状が起きている瞬間の心電図をとることが重要ですが、ダンスをしているときに限って発作が起きるBさんの場合はそれが難しく、医師も頭を悩ませます。Bさんの不整脈は診断・治療することができるのでしょうか。東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長が、実際に治療にあたった不整脈患者の事例を紹介します。

上演中に発作も踊り続けた…プロの現役ダンサーBさん

今回紹介するのは、60代女性Bさんのケースです。Bさんはプロの現役ダンサーとして活躍されている方ですが、「上演中に突然発作が起こってしまう」と来院されました。

 

ステージ上で「心拍数200、血圧40〜50mmHg」

Bさんは、「ダンスをしているときに限って、発作が起きる」と訴えます。発作中、心拍数は200を超え、血圧は40〜50mmHgまで一気に低下することもあったそう。

 

当然、人間の体はこのような状態でダンスを踊れるはずはありませんが、プロのダンサーだという責任感と精神力からでしょうか、ダンス中に発作が起きても必死でこらえ、舞台で倒れたことは1度もないとおっしゃいました。

 

身体に機器をつけるよう提案するも拒否…舞台上で心電図はとれるのか

不整脈の診断でもっとも大切なことは、動悸症状が起きているまさにその瞬間の心電図を取ることです。しかし、発作が起きるのは決まって舞台の上、つまり、たくさんの観客の前で緊張し、激しいダンスを踊っているという特殊な状況下のため、発作が起きた瞬間の心電図を押さえることができません。

 

そこで筆者は、特殊な機器を24時間体に装着して不整脈の現場を押さえる「ホルター心電図」という検査を提案しました。しかし、Bさんは「そんな機器をぶらさげてダンスを踊るなんて、みっともなくてできない」とおっしゃいます。

 

それ以外の診断方法を求められたので、「それなら入院して全身麻酔をかけ、カテーテルを心臓のなかに入れ、電気刺激で不整脈を誘発する試験をしましょう」と提案しました。

 

この試験で不整脈が誘発されれば、その場で診断と治療をまとめて行うことができます。ただし、もし診断が不整脈でなかったら、心タンポナーデや出血、感染といったリスクが伴うことも忘れてはいけません。

 

ただし、Bさんのお話を聞くと不整脈の頻拍発作が強く疑えたので、筆者はこの方法が最適だと思い切って提案。すると、Bさんはすぐに承諾され誘発試験を行うことになりました。

 

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    東京ハートリズムクリニック 院長

    医学博士。1984年愛媛大学医学部入学。1991年愛媛大学医学部第2内科入局、1992年愛媛県立中央病院勤務、愛媛大学医学部附属病院、愛媛県立新居浜病院、国立循環器病研究センター研修、2004年横須賀共済病院循環器センター勤務。2016年東京ハートリズムクリニック院長に就任。
    不整脈治療を専門とし、カテーテルアブレーション治療では、世界トップクラスの実績を持つ。同クリニックでの2021年12月末現在の治療実績は2,000件以上。

    東京ハートリズムクリニック
    書籍 発作ゼロ・再発ゼロをめざす「心房細動」治療 幻冬舎 (2016年8月)

    著者紹介

    連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

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