(※写真はイメージです/PIXTA)

相続には十人十色の事情があり、場合によっては家族や親族同士の関係を壊してしまうこともあります。そうした事態を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届けします。

デジタル資産(遺産)の相続人になった場合の相続手続きの方法を解説

デジタル資産を引き継いだ人は、まずは被相続人が利用していた取引所へ連絡します。こちらでは相続手続きの流れと必要書類についてみてみましょう。

 

相続手続きの流れ

相続が開始され、被相続人がデジタル資産を所有していた事実がわかれば、速やかに次のような流れで出金のための手続きを行います。

 

  1. 取引所に電話またはメールで連絡をとる
  2. 取引所の担当者の指示に従う
  3. 必要書類を提出する
  4. 口座を解約し、出金する

 

デジタル資産の存在は、生前の被相続人からの指摘の他、遺言書に明記されて判明する場合もあります。遺言書で誰に引き継ぐかを明記していない場合や遺言書自体がない場合は、相続人間で協議し、誰が引き継ぐのかを決めなければいけません。

 

必要書類について

取引所の担当者から必要書類について詳しい指示があるはずです。概ね次のような書類を求められることでしょう。

 

  • 相続届:取引所所定の用紙またはホームページから取得
  • 相続人全員の印鑑証明書:それぞれの住所地の市区町村役場から取得
  • 相続人全員の戸籍謄本:それぞれの本籍地の市区町村役場から取得
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍):本籍地の市区町村役場から取得
  • 被相続人の住民票の除票:最後の住所地の市区町村役場から取得
  • 遺産分割協議:遺産分割協議をした場合に準備
  • 遺言書:遺言があった場合に準備
  • 申請者の本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード等

デジタル資産(遺産)を相続する際の注意点や放置するリスクとは?

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

デジタル資産が相続税申告後に発覚した場合、修正申告を税務署から要求されたり、追徴課税を受けたりするおそれもあります。その他、次の2点に注意する必要があります。

 

デジタル資産の存在は発覚しにくいこと

被相続人がデジタル資産の存在を書面等で明らかにしなかった場合、相続人達が気付かないまま、相続手続きを進めてしまうおそれもあります。

 

もしも、被相続人がパソコンやスマートフォンをよく使用していたならば、デジタル資産を運用していたかどうかの確認が必要です。例えば次の4点を確認してみましょう。

 

  • インターネットブラウザでデジタル資産に関する閲覧履歴をチェック
  • 本人がインストールしたアプリをチェック
  • ブックマークされたデジタル資産取引所のサイトの有無をチェック
  • 送受信メールでデジタル資産に関するやり取りをチェック

 

これらが確認できた場合、無理に被相続人のマイページ等へアクセスする必要はなく、取引所の問合せ窓口に連絡しましょう。被相続人の死亡・相続人と確認できるならば情報の開示等に応じてくれるはずです。

 

デジタル資産の発覚で「遺産分割協議やり直し」の可能性もあること

相続人間でデジタル資産の存在を知らないまま遺産分割協議し、協議後にデジタル資産を発見した場合、協議を行い誰が引き継ぐのか決定しなければいけません。

 

しかし、遺産分割協議書に「新たな相続財産が見つかった場合は、被相続人〇〇〇〇の妻〇〇〇に相続させる。」と明記すれば、再度の協議は不要です。

 

次ページデジタル資産の相続時、トラブルを防ぐための相続対策とは?

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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