(※写真はイメージです/PIXTA)

相続には十人十色の事情があり、場合によっては家族や親族同士の関係を壊してしまうこともあります。そうした事態を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届けします。

デジタル資産(遺産)も相続税は発生する?

被相続人の財産に属した一切の権利義務は相続の対象となります。そのため、デジタル資産も相続の対象となり、相続税が課される可能性はあります。

 

デジタル資産の評価方法

デジタル資産は需給に大きく影響され、価格が常に変動しています。そこで、基本的に相続発生時のタイミングで被相続人の有するデジタル資産の価値を評価する必要があります。

 

ビットコインをはじめとした活発な仮想通貨の市場ならば、課税時期の取引価格を参考に資産額を算定します。相続した時点で被相続人の利用していた取引所が公表している取引価格に、引き継いだ数量を乗じます。例をあげて計算してみましょう。

 

(例)被相続人は3BTC購入しているが、取引していた取引所の取引価格は相続時1,000,000円となっている。

 

1,000,000円×3BTC=資産額3,000,000円

 

デジタル資産を含めた税金を抑える方法

相続が発生したからと言って、必ず相続税が課せられるわけではありません。主に次のような方法で相続税の控除・軽減ができます。

 

被相続人の債務等を差し引くことが可能

遺産総額から被相続人が負った生前の債務(借金・未払金等)や非課税財産、葬式費用を差し引けます。そのため不動産資産や金融資産、デジタル資産のようなプラスの財産ばかりでなく、マイナスの財産である債務も財産調査で把握する必要があります。

 

なお、非課税財産とは墓地や仏壇、国等への寄付財産、生命保険金・死亡退職金の一定額等があげられます。被相続人が購入した墓地や仏壇の領収証、保険契約をした際の保険証券等がないか確認しておきましょう。

 

相続税の基礎控除の利用が可能

遺産総額から債務や非課税財産、葬式費用を差し引いた各相続人の課税価格の合計額から、更に基礎控除額「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」を差し引くことができる。

 

基礎控除は法定相続人(民法に規定された相続人)に適用され、基礎控除内に課税遺産総額が収まれば、相続税の申告・納税は不要です。

 

生前に贈与する

被相続人が生前のうちに不動産やデジタル資産を現金化し、配偶者や子供たちに贈与する方法も有効です。受贈者(贈与される人)1人につき原則として毎年110万円まで、贈与税の基礎控除が適用されます(暦年贈与)。

 

将来、相続人となる方々に相続税が課せられる可能性のある場合、資産を少しずつ贈与しコツコツ減らしていけば、相続開始時に大幅な税負担の軽減が期待できます。

 

申告を忘れるとペナルティが課せられることも

デジタル資産の存在を把握していないまま、相続税を申告してしまうケースも想定されます。相続税の申告漏れの場合、税務署から税務調査の通知があり修正申告を要求されます。

 

修正申告は原則として、相続申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内)~税務署から調査の通知が来る前に自主的に修正できれば、追徴課税はありません。

 

しかし、税務署から調査の通知以降に修正をする場合、過少申告加算税として5%~15%が課せられてしまいます。

 

次ページデジタル資産の相続人になった場合の相続手続きの方法を解説!

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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