【事例2】長年介護してきた母親の自宅を売却
【登場人物】
- Aさん:母
- Bさん:長女(Aさん名義の自宅不動産に同居してAさんの介護をしてきた)
- C~Fさん:二女ら(それぞれ独立しておりAさんの介護には関わっていない)
ある日、Aさんは脳梗塞を発症し、その後遺症で左片麻痺となってしまいました。Bさんはその後自宅で介護を続けましたが、15年後にAさんは亡くなりました。
そのため、B~Fさんの5人で遺産分割協議を開始しましたが、難航しました。理由は、Aさんの遺産が自宅不動産(評価5000万円)しかなかったからです。Bさんは、15年間も要介護3で途中から4になったAさんを在宅介護してきたので、この自宅不動産は自分のものになると考えていました。そこで、近所の不動産業者に売却の依頼をしました。
しかし、不動産業者は、Aさんの遺言書がないと聞き、Aさんの自宅不動産をすべてBさんの名義にすることはできないのではないかと思いました。だからといってすぐに無理とは言い切れないので、普段からつながりのある弁護士に相談することにしました。
弁護士の見解としては、やはりAさんに遺言書がない以上、いくらBさんがAさんの介護に尽力していたとしてもAさんの遺産をすべてBさんのものとすることはできない、というものでした。