普通のサラリーマンにとって、やはりマイホームは夢。「色々計算してみたら、余裕をもって返済できるかも……」。綿密なマネープランで住宅ローンを組んでマイホームを実現しても、絶対安心ということはありません。みていきましょう。
手取り28万円・4人家族の40代サラリーマン「余裕の住宅ローン月額」でも撃沈 (※写真はイメージです/PIXTA)

結局のところ、持ち家か賃貸かは、その人の価値観だが…

最近は「ローンを組みたくない」「無駄な利子を払いたくない」という人が増えているといいます。確かに住宅ローンは借金なので、リスクを伴います。しかし一括現金で払える金額ではないので、よほどのことがない限りは、ローンを活用せざるを得ないでしょう。さらに持ち家であれば、固定資産税といった税金も発生しますので、持ち家の場合、どうしても賃貸にはない出費は発生します。それを許容できないのであれば、持ち家は向いていないといえるでしょう。

 

そもそも、賃貸と持ち家、それぞれにメリットがあり、それぞれにデメリットがあります。

 

持ち家のメリットは「老後の心配がない」「資産となる」「団体信用生命保険(団信)の加入で保険料が不要」といったところ。一方「ローンのほか、維持費もかかる」「万が一災害が起きると、大きな負債を抱えることになる」「マンションの場合、自身の意志と関係なく、建て替え等が決まる」といったデメリットが想定されます。

 

賃貸のメリットは「いつでも好きなところに住める」「金利や固定資産税を払わなくていい」「住宅ローンを背負うことはない」など。一方で「家賃のほか、更新料や敷金、礼金などを払う必要がある」「資産が残らない」「老後に不安が残る」といったデメリットが想定されます。

 

結局のところ、持ち家か賃貸か、どちらがいいかはその人の価値観、人生観で選ぶしかないといえるでしょう。ただ賃貸派の人であれば知っておきたいのが、将来の「家なしリスク」。特に単身者は要注意です。「物件の立て替えで引越しを迫られたが、新居が見つからない……」、そんな事例が後を絶ちません。株式会社R65が行った調査によると、高齢者の4人に1人が「不動産会社に入居を断られた」とか。さらに「5回以上断られた」という経験がある人は13.4%にもなるといいます。

 

なかには「高齢者が増えている一方で、若年層が減っているから、家主は高齢者をターゲットにするしかない。今後は単身の高齢者でも家を借りられるようになる」という専門家もいますが、一方で「いわゆる築浅物件は今まで通り単身高齢者はお断りのまま。単身高齢者が借りられるようになるのは、相当、築年数の経ったものに限る」という声も。賃貸派のほうが、遠い未来を見据えていたほうがリスク回避になりそうです。