普通のサラリーマンにとって、やはりマイホームは夢。「色々計算してみたら、余裕をもって返済できるかも……」。綿密なマネープランで住宅ローンを組んでマイホームを実現しても、絶対安心ということはありません。みていきましょう。
手取り28万円・4人家族の40代サラリーマン「余裕の住宅ローン月額」でも撃沈 (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローン…知っておきたい2大リスク

平均であれば、10万円を切るような返済月額になる住宅ローン。しかし収入減などにより返済が難しくなることのほか、大きく2つの注意点があります。

 

まずは完済のタイミング。40歳で30年を超えるローン返済を抱えると、完済は70歳を超えてから。現役のときはローン返済に加えて、子どもの教育費もあり、家計のやりくりは大変でしょう。子どもから完全に手が離れるのは、ちょうど定年を迎えるタイミングということも珍しくありません。以前、そのタイミングは50代前半くらいで、60歳を迎えるまでが老後資金の貯め時でした。それがないまま、定年を迎えてしまうわけです。

 

最近は定年後も再雇用などで働き続けることも珍しくありませんが、それまでと比べて、3割ほど収入はダウン。なかには半分くらいになることも珍しくありません。そのなか、ローン返済に加えて老後資金も、という余裕はなく、あれよこれよと70歳を超えて、何とか完済。このときは年金だけが頼りの生活。足りない分は貯蓄を取り崩して暮らしていく、というのが定番ですが、その貯蓄が十分ではない、という事態に陥る可能性があるのです。

 

40歳からのローン返済生活。何も考えなければ、苦しい年金生活になることを見据えて、計画的な資産形成を考えていきましょう。

 

もうひとつが金利の上昇。たとえば、先ほど金利0.6%として30年間の返済プランを考えましたが、5年後、金利が1%に上昇したらどうでしょう。返済額は月5,000円ほどアップします。2%に上昇したらどうでしょう。返済額は月2万円ほどアップします。3%に上昇したら月4万円以上、5%に上昇したら月7万円以上……これが金利上昇の恐ろしさです。

 

日本人は随分と「金利上昇」に疎くなり、上昇局面での対処法を多くの人が分かっていません。各方面から「金利は上昇する」といった警告は聞こえていますが、「まだ大丈夫」という専門家も。では30年の間、金利は据え置きか、といえば、そのほうが非現実的。少しの金利上昇でローン返済が苦しくなることは確実なので、常に対応を考えておくのがベストです。