ストレスや睡眠不足も高血圧の“引き金”に
ストレス
ストレスは、交感神経を活発にして「心身の緊張状態」を作り出し、血圧を上昇させます。このようなストレスによって引き起こされる高血圧は、「ストレス下高血圧(昼間高血圧)」と呼ばれることがあります。
昼間高血圧は健康診断などで発見されにくい高血圧です。知らないうちに血管のダメージが蓄積し、脳卒中や心臓の病気などを引き起こすこともあります。
20代、30代の人は、仕事や人間関係などのストレスを抱える機会が多いです。昼間高血圧になる可能性もあるため、こまめにストレスを解消するようにしてください。また、家庭血圧を測ることは、昼間高血圧の早期発見につながることがあります。
睡眠不足、昼夜逆転の生活
睡眠不足や睡眠リズムの乱れは、自律神経の乱れによる高血圧を引き起こすと考えられていますが、睡眠不足が直接高血圧の原因になるかどうかは、はっきりわかっていません。
ただし、睡眠不足や睡眠リズムの乱れは肥満の原因になり得ることはわかっています。肥満はさまざまな生活習慣病の原因であり、高血圧の原因にもなります。
睡眠のトラブルは、さまざま心身の不調を引き起こします。20代、30代は、仕事やプライベートで無理をしやすく、睡眠のリズムが崩れやすいので、十分に注意しましょう。睡眠の悩みは、セルフケアだけでは改善できないことも多いです。なかなか良くならないときは早めに専門の医療機関に相談するようにしてください。
早期の高血圧対策がその後のリスクを下げる
高血圧の状態が長く続くと命にかかわる合併症を発症してしまうリスクがあります。予防するためには、生活習慣の見直しが重要です。家庭用の血圧計でかまわないので、血圧を定期的に測るように心がけ、減塩や減酒、禁煙など生活習慣の改善に努めましょう。
早めの高血圧対策は、そのほかの生活習慣病対策に役立ち、40代以降の高血圧のリスク低下にもつながります。高血圧対策は、運動や仕事のパフォーマンス向上や健康寿命を伸ばすことにも役立つので、できるだけ早く始めるようにしましょう。
※すでに高血圧の治療を受けている人は、医師の指導に従ってください。
山本 康博
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい
院長