飲酒、塩分…高血圧に直結する「身近な原因」と対策
高血圧は病気などが原因になることもありますが、以下で挙げるような「生活習慣」が発症に大きく関係します。
塩分摂取量
和食では塩やしょう油などの「塩分が多い調味料」をよく使うため、日本人は昔から高血圧になりやすかったといわれています。
厚生労働省の発表によると、日本人の1日の塩分摂取量は、男性が10.9g、女性が9.3gです。これは目安の「男性7.5g未満、女性6.5g未満」を大きく超えています。塩分の過剰摂取は血圧上昇に直結し、20代、30代の若い世代であっても塩分の過剰摂取が長く続けば、高血圧を引き起こすことがあります。
以下を参考に、早めに減塩対策を始めましょう。
【減塩対策のポイント】
•食材や調味量に含まれる塩分量を確認する
•外食や中食を減らし、自炊を増やす
•加工品はなるべく使わないようにして、自然の食材の風味を活かす
•減塩タイプの調味料、食品を使うようにする
•「だし」「薬味」「スパイス」など、塩味以外の調味料をきかせる
•麺類のスープは飲まない
•しょう油やソースは直接かけない
•漬物は控えめにして、味噌汁の減塩対策を徹底する
肥満、メタボリックシンドローム
肥満の人すべてが高血圧になるわけではありませんが、肥満の人は普通体重の人と比べて2倍〜3倍程度高血圧になりやすいといわれています。また、肥満の人は食べる量が多いため、塩分摂取量も多くなりやすいことも、高血圧のリスク上昇につながります。
食事内容や運動習慣を整えて、適切な体重、体型を保ちましょう。適切な体重の目安としては、BMIを参考にすることが一般的です。BMIが18.5以上25未満になるように、体重管理をしてください。
ただし、BMIが正常範囲内でも、腹囲が大きければ内臓脂肪が溜まっている「内臓脂肪型肥満」の可能性があります。内臓脂肪型肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症のリスクが高い状態です。
腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の人で、血圧、血糖値、血清脂質のうち2つ以上に異常値がみられる場合は、「メタボリックシンドローム」とみなされます。
メタボリックシンドロームは生活習慣病が非常に悪化しやすい状態であり、心臓病や脳卒中など命に関わる病気のリスクも高いです。
肥満やメタボリックシンドロームが多いのは40代以降の男性ですが、若い男性や女性もなる可能性があります。
肥満やメタボリックシンドロームになってしまってから体重をコントロールするのは大変ですし、年齢が上がると体重や脂肪を落としにくくなります。若いうちから以下を意識して、肥満やメタボリックシンドロームを予防しましょう。
【肥満、メタボリックシンドローム対策のポイント】
•体脂肪計や体組成計がついている体重計で毎日体重を計測する
•腹囲を定期的に計測する。パンツやスカートのウエストがきついと感じたときは注意
•毎食の食事の総カロリー量をチェックする
•脂質や糖質に偏った食事を控え、いろいろな食材をバランスよく食べる
•間食や夜食を控える
•適度な筋トレで基礎代謝を高め、有酸素運動で脂肪燃焼を促す
•自己管理が難しい場合は、肥満外来や専門のトレーナーに相談する
•お酒の飲みすぎ
お酒を飲むと一時的に血圧が下がることはありますが、継続的な飲酒は高血圧の原因になります。毎日の飲酒量が多いほど高血圧のリスクが高くなり、飲酒量を減らすと血圧が下がりやすくなることもわかっています。
また、お酒のおつまみは「塩味が強い食べもの」が多いため、お酒の飲み過ぎは塩分の過剰摂取の原因にもなりやすいです。アルコール飲料は、種類に関わらず高血圧の原因になり得ます。お酒は必ず適量を守り、1週間に1日〜2日以上の休肝日を作りましょう。
【お酒に関する高血圧対策のポイント】
•お酒の1日の摂取量の目安は、ビールや発泡酒(アルコール度数5%)では「500ml缶1本」
•休肝日を多くすることで、全体的な飲酒量を減らせる
•飲酒がストレス解消につながることはあるが、飲酒できない人、お酒が好きではない人が無理に飲む必要はない
•おつまみの塩分量に注意。締めのラーメンは食べない