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金融商品のなかで、相対的にリスクが低い「債券」
「こんな運用商品あるんだったら、みんなやった方がいいじゃん、なんでやらないの?」これは、弊社のあるお客様からご提案後に言っていただいた言葉だ。この方は、ご退職時期が近づき、老後の資産形成として何か運用した方がいいのでは? と感じ、ご相談いただいた方である。
詳しくお話を伺うと、投資というものに漠然と抵抗感があり、自身で行っている投資は「安全だと聞いた」という理由で積立NISAのみとのこと。何度か資産運用の提案を受けたことはあったが、不安の方が優ってしまい、踏み切れなかったそうだ。
ヒアリングを重ねて私が提案したのが、「債券」である。具体的には、米ドル建ての社債だ。なぜ私が「債券」を提案したかと言うと、数多ある金融商品のなかでも、相対的にリスクが低く、安定的に運用できる商品であると言えるからである。
ところが、こうした特徴については一般的にあまり浸透していないため、本記事ではこの「債券」の仕組みや特徴についてご紹介していこうと思う。
「債券」とは?
少々固くなるが、「債券」の仕組みと、他の金融商品とは異なるメリットについて、話していきたい。「債券」とは、企業や国にお金を貸す証明書である。つまり「債券」をもつということは、企業や国にお金を貸すということと同義である。
主だった「債券」である、社債を例に説明する。発行体である企業は資金調達のために「債券」を発行し、それを投資家の方に買ってもらうことで資金調達をする。投資家はお金を貸していることになるので、もっている間は毎年利息を受け取ることができるようになる。
「債券」の魅力は大きく分けて2つある。1つ目は、受け取れる利息が買った時点で確定するという点である。通常、株式や投資信託の配当金は、業績や運用成績によって、年毎に受け取れる金額は変動する。
近年は、高配当株が流行っているが、配当はその会社の利益から捻出されるため、会社の業績が悪化すれば、当然、減配のリスクに晒される。たとえ減配しなかったとしても、株価の下落により元本割れを引き起こす可能性がある。しかし、「債券」の場合は買った時点で、貸したお金に対して毎年何%の金利が付くのか確定するのだ。
「債券」の利回りを決める要因はいくつかあるが、最も大きな要因は企業の財務の健全性を表す「格付け」であり、格付けが高いほど破綻するリスクが低いため、利回りは低くなる。
米国政府の利上げにより、社債利回りは上昇
ところが、現在米国の金利上昇により、米ドル建ての社債の利回りは急上昇しており、格付けの高い企業の「債券」でも3%~4%の利回りが受け取れるようになっている。
国内株式の平均配当利回りが約2%であることからも、マーケットに振り回されることなく、毎年3%~4%の利金収入が確定しているという点は、相対的に魅力があると言える。