今年、2022年に大きな問題が勃発していたことを知っているでしょうか。そして、いまから3年後の2025年には、その問題はさらに深刻化するといわれているのです。日本全体を巻き込む大問題、みていきましょう。
手取り16万円…50代・非正規の「団塊ジュニア」に待つ、冷酷無情な未来「生きていくのが、ツライ」 (※写真はイメージです/PIXTA)

親の介護に直面する「団塊ジュニア」

介護問題についてはどうでしょう。介護状態の割合は、当然、加齢とともに高まり、厚生労働省『介護給付費等実態統計月報』によると「70~74歳」では5.8%だったのが、「75~79歳」で12.7%、「80~84歳」で26.4%、「85歳以上」で59.8%に達します。

 

そして介護ではその費用以上に、「誰が介護をするのか」という問題があります。厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』(2019年)によると、主な介護者は54.4%が同居している家族。その内訳をみてみると、23.8%が「配偶者」で最も多く、続いて「子ども」で20.7%、「子の配偶者」が7.5%。介護状態になったとき「子どもには世話になりたくない」という人は多いもののの、現実は、その子どもに面倒をみてもらっています。

 

つまりこれから団塊の世代の人たちは、続々と介護状態となり、その子どもたちは親の介護問題に直面する、ということです。その子ども世代が、いわゆる「団塊ジュニア」と呼ばれる人たち。1971~1974年生まれの人たちで、2022年には47~51歳になります。

 

親の介護に直面したとき、その費用に関しては介護保険もありますし、多くが年金でカバーできますから、ほとんど心配することはありません。ただ介護となると、程度によっては仕事が続けられない、というケースも。厚生労働省『雇用動向調査』によると、毎年、介護を理由に離職する人は、7万~10万人ほど。男女ともに多いのが「55~59歳」。10年以内に介護を理由に仕事を辞めざるを得ない団塊ジュニアが増えていくと予測されます。

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、正社員の平均給与(所定内給与額)は40代後半で36.1万円、50代前半で38.8万円。50代後半で39.3万円です。このころ、会社員として給与はピークに達しますが、その給与を手放して介護離職となります。平均介護期間は61ヵ月といわれていますから、仮に55歳で介護離職したとして、復職できるのは60歳を超えてから。以前のように正社員で、というのは難しく、パートなどの非正規での仕事復帰が現実的です。

 

50代は子どもの教育費や住宅ローンの目途がつき始め、自身の老後を見据えて貯蓄を本格化するタイミング。そこで介護離職となると、老後不安が拡大します。もし正社員のまま、平均的な給与を得て60歳で定年を迎えたとすると、65歳でもらえる年金は月15.5万円程度。一方、55歳で介護離職となると14万円。月1万5,000円ほど、受給額が変わります。10年で180万円、30年で540万円ですから、結構な差です。そこに貯蓄差が加わりますから、介護離職に追い込まれるか否かで、老後は大きく変わるといっていいでしょう。