世の中、結局、学歴でしかない……そんな親の思いもあるのでしょうか。“地元の中学校”に進学するのではなく、私立中学校に進学する児童が増えています。東京都23区に続き、市部等の進学率はどれほどのものなのか、みていきましょう。
東京都市部「私立中学進学率」最新ランキング…第1位は区部平均超えの「受験熱が高すぎる街」 (※写真はイメージです/PIXTA)

東京都の私立中学進学率「区部>郊外」の差、歴然

東京都教育委員会『令和4年度公立学校統計調査報告書』によると、令和4年3月に東京都の公立小学校を卒業したのは9万8,239人で、前年度より287人増加。そのうち都内の中学校に進学したのは9万6,419人。その内訳は、23区が6万1,528人、市部が3万4,222人、郡部・島嶼部が669人となっています。

 

中学校といえば、地元の公立中学校というのが定番ですが、東京都の場合はいまや中学受験が当たり前。中学校から私立中学に通う生徒も珍しくありません。東京区部の場合、2021年、1万9,025人の子どもが都内私立中学校に進学をしました。全体に占める割合は19.73%で、5人に1人は中学受験をして私立中学校に進学をしている計算。さらに中学受験をした児童も合わせると、その数はさらに増えるでしょう(関連記事:『東京都23区「私立中学進学率」最新ランキング…1位と23位の「受験格差」、拡大の一途』)。

 

東京都における中学受験熱は、年によって上下はあるものの、さまざまな要因からゆるやかに上昇傾向。2016年17.2%→2017年18.3%→2018年18.2%→2019年18.7%→2020年19.9%→2021年19.7%と、私立中学進学率は推移しています。

 

では東京区部以外の東京郊外の中学校受験事情は、どうなのでしょうか。2021年、東京区部以外で都内私立中学に進学した児童は3,602人。私立中学進学率は10.53%。区部と比べて、9ポイント近くの差が生じています。

 

中学受験において「東京都区部>東京都郊外」なのは、私立中学そのものが区部に集中していること、学費の高い私立中学への進学を検討しやすい高収入世帯が区部のほうが多いことなどが要因と考えられます(関連記事:『東京23区年収ランキング…1位「港区」と23位「葛飾区」、思わず唖然とする給与格差』)。それでも児童の10人に1人以上が私立中学に進学するのですから、東京の郊外でも中学受験はいまや当たり前、という世界だといえるでしょう。