(※写真はイメージです/PIXTA)

資産形成を目的に、さまざまな金融商品を吟味している人は多いと思います。しかし、金融機関がお勧めしてくる商品の中には「割高」なものもかなりの確率で混ざっているため要注意です。とくに「なんだかすごそう」なオーラをまとった、複雑な仕組みのものほど要注意です。なぜでしょうか? 経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

「妥当な価格」がわからないなら、恐らく割高な商品だ

プロたちは、投資初心者には理解できないような商品を作って、複雑な計算をして「妥当な価格」を求め、それに高額の手数料分を上乗せして販売することがあるはずです。

 

たとえば「判定為替条項付きデュアルカレンシー債」という債券があります。払い込みと利払いが円建てで、償還は原則として外貨建てであるけれども、判定日に一定以上の円安であれば償還も円建てで行われる、といった債券です。

 

仕組みが理解できない人も多いでしょうし、仕組みは理解できても自分がどの程度のリスクを負っているのかを理解できていない人も多いでしょう。そもそも理解できないリスクを負うような投資はすべきではないのですが、損得のことだけを考えても、損な取引である可能性が高いでしょう。

 

つまり、「妥当な価格」を買い手が理解していないことを知っている売り手は、妥当な価格より高い価格で販売する動機があるわけですね。あるいは、価格は妥当でも、支払う金利が本来支払うべき金利より低く設定してあるかもしれませんね。

 

そんな商品を買うくらいなら、たとえば投資額の半分は普通の日本国債を買い、残りの半分で普通の外国国債を買う、という単純な取引をするほうがはるかにいいでしょう。

 

「普通の社債より高い金利を払いますが、トヨタの株価が半分以下に値下がりしたら社債の満期に現金ではなくトヨタの株券を渡します」といったような社債もありますが、これも避けたいですね。

 

そもそも、トヨタの株価が半値になる確率を計算できない人は、「リスクが理解できない商品」を買うべきではありませんが、損得だけを考えても、損な取引なはずです。プロたちが懸命にトヨタの株価が半値になる確率を計算して「妥当な価格」を求め、それに高額の手数料を上乗せして売っているはずですから。

 

本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。

 

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塚崎 公義
経済評論家

 

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