不動産投資家がローン利用の際に加入する「団体信用生命保険」。仕組みや注意点とともに、メリット・デメリットを詳しく解説します。
不動産投資家が加入する「団体信用生命保険」…メリット・デメリットを解説

どのようなときに団信は実行されるのか

団信は基本的な契約であれば、申込人が死亡するか高度障害になったときに保険金がおります。死亡は病死の他に、自殺や他殺も適用されます。ただし自殺は保険開始日から1〜2年以内に発生した場合は除かれ、殺人は保険金の受取人が事件に関わっていないことなどが条件です。高度障害は保険会社により条件が異なりますが、一例として次のような定めがあります。

 

・両眼の視力をまったく永久に失ったもの

・言語またはそしゃくの機能をまったく永久に失ったもの

・中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの

・胸腹部の臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの

・両上肢とも手関節以上で失ったか、またはその用をまったく永久に失ったもの

・両下肢とも足関節以上で失ったか、またはその用をまったく永久に失ったもの

・1上肢を手関節以上で失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用をまったく永久に失ったもの

・1上肢の用をまったく永久に失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったもの

(出典:明治安田生命)


 

実際の手続きでは、回復の見込みがないとする医師の診断が必要です。さらに保険開始日前より生じていた障害や疾病を原因とするものは除かれます。またよく誤解されますが、就業不能かどうかは保険適用の条件と別の場合があります。団信加入の際は詳細な条件をしっかり確かめるようにしましょう。

団信でローンが完済されるまでの流れ

ローンを返済中の人が亡くなったり高度障害などになったりして返済不能となった場合に、団信に加入している保険会社から保険金が支払われます。具体的には、以下のような流れでローンが完済されます。

 

1.ローンを組む際に、金融機関が団信に加入

2.返済中(保障期間中)に死亡もしくは高度障害によって返済不能が確定

3.団信の保険会社から金融機関に保険金が支払われる

4.金融機関は受け取った保険金でローンの残債を清算

5.加入者もしくは遺族には残債のない収益物件が残る

 

この流れで押さえておきたいポイントは、団信があるおかげで収益物件を手放すことなく持ち続けられることです。高度障害などで本人が存命の場合は本人の手元に残債なしの収益物件が残り、本人が亡くなった場合であっても遺族に残債のない収益物件が残ります。