中古マンションのリノベーション投資は、単に「古くなったマンションを新築マンションのようにする」というだけでは成功しません。成功の成否を左右するのは「入居率」。リノベーションにより入居率を上げる方法について、詳しく解説します。
中古マンション「リノベーション投資」のポイント…入居率を上げる秘訣とは?

リノベーションする「デメリット」

中古マンションをリノベーションすることによって起こり得るデメリットとして、留意しておくべき点は3つあります。

 

■建物の状態によりリノベーション費用が高くなる可能性がある

中古マンションが新築マンションと決定的に異なるのは、その物件が建てられてから誰かが使ってきたことです。人が使うことによって摩耗や破損する部分はありますし、時間の経過によって劣化する部分もあります。

 

中古マンションを選ぶ際、素人には分からないような不具合や劣化が見えない部分に隠れていることもあります。表面上は「まだまだ現役」にみえる中古マンションであっても、いざリノベーション工事をすると予想外の傷みがみつかって、その修繕を含めるとリノベーション費用が高額になってしまったという事例もあります。

 

建物のリスクは中古マンションを投資対象にする以上避けられないものなので、確かな目を持ったプロが選んだ物件を購入するなどの対策が必要で、素人判断だけで購入するのは危険です。

 

■ローンの審査で不利になることがある

新築マンションと比べて中古マンションは担保価値が低いとみなされるため、金融機関の融資審査では不利になることがあります。融資期間についても注意点があるので、これについては後述します。

 

また、金融機関のローンはあくまでも物件を購入するための費用が対象です。リノベーション工事の費用は含まれていないので、不動産投資向けローンでリノベーション工事の資金を調達することはできません。

 

■リノベーション工事中は賃貸物件として活用できない

新築であれ中古であれ、購入したマンションをすぐに賃貸物件にして入居者が付けば、すぐに家賃収入が得られるようになります。しかしリノベーション投資の場合は購入した中古マンションにリノベーション工事を施す期間を考慮する必要があります。規模や工事の内容にもよりますが、リノベーション工事には数ヵ月間を要します。この期間は入居者を募集することができないため、無収入になります。

 

リノベーション工事の費用を負担しつつ無収入の状態が少なくとも数ヵ月は続くので、この期間の返済などについて入念な計画を立てておく必要があります。