1年で経費化できるのは4年落ちの中古車だが…
ただし、新車ではなく中古車であれば、1年で全額を減価償却費として計上できる可能性があります。
結論からいえば、「3年10ヵ月」以上の中古車であれば、1年で償却できます。
どういうことか、順を追って説明します。
中古車の耐用年数の計算方法
すなわち、中古車については、耐用年数が以下の通り、新車よりも短くなっています(国税庁HP「タックスアンサーNo.5404 中古資産の耐用年数」参照)。
1.法定耐用年数の全部を経過した資産:法定耐用年数×20%(年)
2.法定耐用年数の一部を経過した資産:(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%(年)
ただし、これらの計算式だと端数が生じます。その場合、端数は以下のように処理します。
・年数が2年超の場合:切り捨て
・年数が2年未満の場合:切り上げ(2年)
つまり、中古車については、耐用年数が最短で「2年」ということになります。
これらの計算式を用いると、もっとも効率がよいのは、計算上の耐用年数が「2年11ヵ月超」となる中古車です。なぜなら、端数の「11ヵ月」が切り捨てられて法定耐用年数が「2年」となるからです。
そして、計算上の耐用年数が「2年11ヵ月」となるのは、「3年10ヵ月」の中古車です。
耐用年数2年のところ1年で償却できる
さらに、耐用年数2年の場合、上述した「定率法」を使うと、1年で全額を償却することができます。
すなわち、3年10ヵ月以上落ちの中古車であれば最短1年で購入額の全額を経費化できるということです。
「決算対策」には使いにくい
しかし、ここで一つ問題があります。
先述したように、減価償却費は「月割り」で計上しなければならないということです。それは新車でも中古車でも変わりはありません。
1年で経費化できるといっても、起算点は、実際に事業に使用した月からです。たとえば、12月決算で、10月に4年落ちの中古外車を600万円で購入して同月から使用した場合であっても、その年度に経費計上できるのは3ヵ月分です。
ましてや新車であれば、経費計上できる額はごくわずかです。
したがって、年度末が迫ってきてからだと、あまり意味がありません。
このように考えると、結局、高級車の購入が「決算対策」「節税対策」となるケースは、かなり限られているといえます。
社長の節税の定番のように扱われる感のある高級車の購入ですが、実行に移すかは、本記事で指摘したことをふまえ、慎重に検討することをおすすめします。
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