加速する高齢化。それに伴い、介護を必要とする人も増加傾向にあり、その割合は75歳以上の4人に1人程度になるとされています。また親の介護のために仕事を辞めなければならない人も。そこには想像を絶する苦労がありました。みていきましょう。
年金14万円で親の面倒も…「もう、ダメかもしれません」追い詰められた「介護退職・50代会社員」の悲痛 (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化で要介護者増加…75歳以上で23.1%

内閣府『令和3年版高齢社会白書』によると、2020年10月1日時点の日本の総人口は1億2,571万人。そのうち65歳以上人口は3,619万人で、総人口に占める割合、つまり高齢化率は28.8%。さらに後期高齢者となる75歳以上は1,872万人、総人口に占める割合は14.9%でした。

 

高齢化率はまだまだ上がり続け、2025年には30%を突破します。2040年には35.3%、2060年には38.1%に達すると予測されています。それに伴い、65歳以上人口を支える15〜64歳は減少。現在、現役世代2.1人で1人の高齢者を支えていますが、2030年には1.9人で1人、2040年には1.5人で1人、2060年には1.4人に1人の高齢者を支えるようになります。「現役世代XX人で高齢者を1人を~」というのはあくまでも概念的な話ですが、実際に高齢となった親を支えなければならない人は今後、ますます増えていくものと考えられます。

 

内閣府『令和3年版高齢社会白書』によると、介護保険制度における要介護又は要支援の認定を受けた人(以下「要介護者等」という。)は、令和元年度で655.8万人。10年強で186.2万人増加しました。また要介護の認定を受けた人の割合は、65~74歳で「要支援」が1.4%、「要介護」が2.9%。75歳以上では「要支援」が8.8%、「要介護」が23.1%。後期高齢者になると、要介護の認定がぐっと上昇します。

 

要介護者等と介護者の続柄は、「同居している人」が54.4%で、その内訳は「配偶者」が23.8%、「子が」20.7%、「子の配偶者」が7.5%。また「要介護4」では45.8%、「要介護5」では56.7%が、「ほとんど終日介護を行っている」と回答。要介護3以上になると、その割合が増える傾向にあります。

 

さらに介護を理由に仕事を辞めた人は、平成28年10月~平成29年9月の間で、男性2万4,000人、女性7万5,100人。男女差はあるものの、年間10万人ほどの人が介護を理由に退職をしています。