(※画像はイメージです/PIXTA)

新社会人の女性が投資詐欺の被害に遭い自殺するといういたましい事件がありました。投資詐欺の手口は巧妙化し被害者もあとを絶たず、深刻な社会問題となっています。そんななか、2022年9月12日、ある「内閣府令」が交付されました。これは、かねてから問題視されてきた「合同会社」を利用したスキームを規制するもので、10月3日から施行されます。合同会社スキームの問題点と、新たな規制の内容、投資詐欺に騙されないため知っておきたいことについて、説明します。

新たな規制の内容は?

こういったことを受けて、証券取引等監視委員会は2022年6月21日、「『合同会社』による社員権の取得勧誘について」という文書を発表し、規制の必要性を建議しました。

 

これを受け、金融庁は翌6月22日に内閣府令の改正案を取りまとめ、パブリックコメントに付しました。

 

そして、9月12日にその結果が公表されるのと同時に、内閣府令の改正が正式に公布され、10月3日から施行されることになりました。

 

改正後の内閣府令によると、規制対象となるのは、合同会社が従業員を使って出資者(社員)を勧誘する行為です(【図表2】)。

 

証券取引等監視委員会HPの図表をもとに作成
【図表2】合同会社スキームに対する新たな規制(2022年10月3日より施行) 証券取引等監視委員会HPの図表をもとに作成

 

従業員を使って合同会社の社員になるよう勧誘を行うためには、金融商品取引業の登録が必要となり、もしも無登録で勧誘行為が行われた場合、裁判所への申し立てにより禁止命令等を出せるようになりました。

投資詐欺の被害に遭わないために大切なこと

今回新たに規制対象となった「合同会社スキーム」は、あくまでも投資詐欺に悪用されやすいものの一つにすぎません。

 

わが国ではこれまで投資教育が十分になされてきておらず、投資詐欺への免疫が不十分です。

 

これからきちんとした投資教育を受けることや金融リテラシーをつけることはもちろん大事ですが、限界があります。

 

また、投資詐欺の方法はますます巧妙になってきています。

 

そこで、重要なのが、最低限、国による監督の下、金融商品取引法等の規制に服している事業者を選ぶことです。登録、認可、免許等を受けているのであれば、その旨が必ず会社概要に記載されています。

 

ただし、合同会社スキームを行っている業者の中には、本体は「貸金業」等の免許しか受けていないにもかかわらず、その関連会社に「金融商品取引業」の登録を有している会社があり、いかにも本体が免許を受けているかのような誤解をまねくケースもあったりするので要注意です。

 

あくまでも、「本体」が一般投資家保護のための厳格な規制をクリアしている事業者が扱う商品でなければ、投資してはいけないと考えなければなりません。

 

その上で、担当者から過去の運用実績、運用の方法と方針、リスクの内容・程度と対処法等について説明を受け、十分に納得してから投資を行う必要があります。

 

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