「長生きも、インフレも、つら過ぎる…」来たるべき老後生活〈2大リスク〉をどうすれば (※写真はイメージです/PIXTA)

自分の老後生活と老後資金に危機感を抱く人が増加しています。これからの日本で暮らしていくには、老後生活のための「リスク対策」もアップデートが必要です。どんな点に注意を払うべきでしょうか。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

老後資金のリスクは「長生き」と「インフレ」

老後資金について心配している人は多いでしょうが、単に不安を感じているよりも、具体的になにが心配なのかを理解して、対策を考えることが重要です。

 

老後資金についての2大リスクは「長生き」と「インフレ」だと筆者は考えています。長生きはいいことなのですが、老後資金のことだけを考えれば、リスクなのです。多額の老後資金を貯めてあっても、長生きしている間に使い果たしてしまうかもしれませんから。インフレは、せっかく貯めた老後資金で買える物の量が少なくなってしまうわけですから、老後の生活が成り立たなくなる可能性が出てくるわけです。

 

もっとも、過度な心配は不要です。公的年金は長生きにもインフレにも強いからです。

公的年金が「長生きにも、インフレにも強い」ワケ

拙稿『老後資金の必要額「1億円」との試算も…一般サラリーマンの〈退職後〉はどうなる!?』では、老後資金は1億円必要だけれども、普通のサラリーマンは公的年金が充実しているのでなんとかなる、ということを記しました。標準的なサラリーマンと専業主婦は2人合計で老後に毎月22万円程度の年金が受け取れるからです。

 

公的年金のありがたいところは、どれほど長生きしても最後まで払ってもらえる、ということです。「120歳まで生きてしまったら老後資金が足りなくなる」などと心配する必要はないのです(笑)。

 

これは、早死にした人が年金を受け取らない分だけ長生きした人に年金を支払う、という制度だからです。「火事にならなかった人から集めた保険料を、火事になった人に払ってあげる」のが火災保険ですが、基本は同じことですね。

 

もうひとつ、公的年金がありがたいのは、インフレにも強いという点です。「現役から集めた保険料を、高齢者が分け合う」という制度なので、インフレになって高齢者の生活費が嵩むようになるときには、現役世代の所得も増え、現役から多くの年金保険料が徴収できる、というわけですね。

 

もっとも、少子高齢化の影響で年金額が減っていくかもしれませんし、そうでなくても老後にささやかな贅沢を楽しみたいのであれば、老後資金を用意しておくほうが安心ですね。現役時代に老後資金を用意する人が多いのもうなずけます。

 

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    経済評論家

    1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。2022年4月に定年退職し、現在は経済評論家。

    著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』『大学の常識は、世間の非常識』(以上、祥伝社)など多数。

    趣味はFacebookとブログ。

    著者紹介

    連載経済評論家・塚崎公義氏が解説!したたかに生きる人の「老後資金問題」解決策

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