(※写真はイメージです/PIXTA)

自分の老後資金に不安を抱いている人が増加しています。一部マスコミ報道では、いろいろな計算式とともに「安心して老後を送るには1億円は必要」などいって警鐘を鳴らしていますが、実際のところはどうなのでしょうか。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

老後資金は「1億円必要」といわれているが…?

老後資金は1億円必要だ、といわれているのをご存じでしょうか? 夫婦合計の生活費を毎月25万円とすると、60歳から93歳までの間に約1億円必要だ、という計算になるのです。マスコミ報道等でそれを知り、不安に駆られている人も多いと思いますが、普通のサラリーマン(サラリーウーマンや公務員等を含む、以下同様)はなんとかなりますので、まずは落ち着きましょう。

 

「自分は1億円も持っていない!」という、不安と焦りを感じたとき、まず最初に考えてほしいのは、「いまの高齢者が現役サラリーマンだったときにも、1億円は持っていなかったはずだ。しかし、なんとか暮らしているようだ。だから、自分もなんとかなるだろう」ということです。

 

自営業者等は定年がないため、元気な間は働いて稼ぐことができますから、こちらも過度な懸念は不要かもしれません。もっとも、自営業者の方々の状況はケースバイケースですので、本稿では主にサラリーマンについて記すこととします。

サラリーマンは「公的年金」が充実している

サラリーマンは、年金(公的年金。以下同様)が充実しています。標準的なサラリーマンと専業主婦の夫婦二人で、65歳以降は毎月22万円の年金が受け取れるのです。贅沢は難しいでしょうが、なんとか暮らせる金額ですね。あとは、65歳になるまで働いて稼げばいいわけです。

 

老後のための蓄えがあれば、それを少しずつ取り崩して「ささやかな贅沢」を楽しむことができるでしょう。もっとも、借金が残っていると苦しいので、65歳時点までに借金は返済しておきたいですね。

 

65歳時点で借金が残っていても、65歳以降も働いて稼げばいいので、過度な懸念は不要です。老後資金が貯まっていなくても、65歳以降も働いて稼げば、ささやかな贅沢の費用も稼げるでしょう。

 

かつては、高齢者が仕事を探しても見つからないという問題がありましたが、少子高齢化による労働力不足の時代ですから、1日4時間しか働けない高齢者でも、仕事を探せばなんとか見つかるでしょう。

 

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